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第30話

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2026/03/20 23:37 更新
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 カレーを黙々と食べるゆうたくんを横目に
 私もカレーをちまちまと食べる。

 …… 気まずい。とてつもなく気まずい。


 この沈黙をどうにかしなければと思いつつ
 話題が見つからない。


 しかし、その沈黙を破ったのはゆうたくんだった。



ゆうた
ゆうた
  … 腹減ってないの?  
(なまえ)
あなた
  え? あ、いや…  
ゆうた
ゆうた
  全然食ってないし  
(なまえ)
あなた
  …… ちょっと、考え事してた  


 私がそう言うと 、ゆうたくんはまた黙ってしまう

ゆうた
ゆうた
  … さっきのこと気にしてるならわりぃ  
ゆうた
ゆうた
  ほんとに、なんでもないから  


 そう言ってまたカレーを食べ出す

 なんでも、ないか……

(なまえ)
あなた
  うん、わかった …  
ひゅうが
ひゅうが
  ちゃんと食ってる〜?  
(なまえ)
あなた
  あ、先生 … !  


 先生は、はなちゃんと話し終わったのか
 私達の向かいの椅子に座った。

(なまえ)
あなた
  はなちゃんは … ?  
ひゅうが
ひゅうが
  元気になったよ、他の班で食ってる  
(なまえ)
あなた
  そっか …  
ひゅうが
ひゅうが
  お前らさあ、喧嘩でもしてんの?笑  
(なまえ)
あなた
  え、  


 隣のゆうたくんをちらっ、と見るけど
 ゆうたくんは何も言わなそう。

(なまえ)
あなた
  してないですよ … 笑  
ひゅうが
ひゅうが
  ふうん … 佐藤がいつも以上に喋んないから  
ゆうた
ゆうた
  … 腹減ってたんで  
ひゅうが
ひゅうが
  そっかそっか 、いっぱい食え!  


 先生はそう言ってゆうたくんの髪の毛をわしゃわしゃした。

 ゆうたくんは嫌そうな顔をしながらも笑っていた。


.


 ご飯を食べ終え、はなちゃんと女子部屋で
 話しているとはなちゃんは気付けば寝ちゃって

 私はなんとなく寝付けなくて、施設の前にある浜辺へ向かった。


.



 夜の海は幻想的で、儚い雰囲気が漂う

 月が海を照らし、波の音を聴きながら私はぼーっと海を眺める。



(なまえ)
あなた
  …… 全然話せなかったな  


 結局、あの後も先生は色んな子に呼ばれて

 私たちの所へ戻ってくることは無かった。

 同じ班だからいっぱい喋れると思ったけど
 先生だもんね。 人気者だし …


 そんなことを考えてると
 後ろから足音が聞こえて、私は振り返った。


(なまえ)
あなた
  !…… せんせい、  


 煙草を咥えながら 、こちらへ歩いてくる先生

 何しに来たんだろう …

ひゅうが
ひゅうが
  夜更かしか? 悪い子だな〜  
(なまえ)
あなた
  寝れなくって …  
ひゅうが
ひゅうが
  まあ、医療室で寝てたもんね  
ひゅうが
ひゅうが
  体調は?  
(なまえ)
あなた
  もう良くなりました  
ひゅうが
ひゅうが
  そう …  
(なまえ)
あなた
  あの 、先生。相談してもいいですか?  
ひゅうが
ひゅうが
  ん?なぁに  


 先生は甘い声でそう言った。

 煙草も捨ててくれて、本気で聞く姿勢に入ってくれる。

 私はゆうたくんと気まずくなってしまったことを話した。医療室でゆうたくんに言われたこと、そしてご飯を食べてた時に「 なんもないから 」と言われたこと。


 私が話してる時も先生は うんうん、と頷いてくれていた。

 話終えると先生は、「 なるほどねぇ 」と顎に手を当てる。


ひゅうが
ひゅうが
  佐藤はさ、あなたちゃんと気まずくなりたくなかったんだよ。
(なまえ)
あなた
 え、 
ひゅうが
ひゅうが
  まああいつも不器用だろうから、
逆に気まずくなっちゃったんだろうけど 笑
ひゅうが
ひゅうが
  だから、あえてなんも無いって言ったけど本当は今の関係を壊したくないんだと思うよ
(なまえ)
あなた
  …… そういうことか  


 なんとなく納得がいった気がして、
 私は頷いた。

 こればっかりは、ゆうたくんとしっかり話さないと
 解決できないような…

ひゅうが
ひゅうが
  まあ、あいつも痺れ切らしたら言ってくるよ  
(なまえ)
あなた
  何をですか?  
ひゅうが
ひゅうが
  …それは本人に聞け〜笑  


 先生はそう言って私の頭をわしゃわしゃと撫でた。

 先生の言ってることはよく分からないけど
 先生に頭を撫でられるだけでとても安心した。



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