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カレーを黙々と食べるゆうたくんを横目に
私もカレーをちまちまと食べる。
…… 気まずい。とてつもなく気まずい。
この沈黙をどうにかしなければと思いつつ
話題が見つからない。
しかし、その沈黙を破ったのはゆうたくんだった。
私がそう言うと 、ゆうたくんはまた黙ってしまう
そう言ってまたカレーを食べ出す
なんでも、ないか……
先生は、はなちゃんと話し終わったのか
私達の向かいの椅子に座った。
隣のゆうたくんをちらっ、と見るけど
ゆうたくんは何も言わなそう。
先生はそう言ってゆうたくんの髪の毛をわしゃわしゃした。
ゆうたくんは嫌そうな顔をしながらも笑っていた。
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ご飯を食べ終え、はなちゃんと女子部屋で
話しているとはなちゃんは気付けば寝ちゃって
私はなんとなく寝付けなくて、施設の前にある浜辺へ向かった。
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夜の海は幻想的で、儚い雰囲気が漂う
月が海を照らし、波の音を聴きながら私はぼーっと海を眺める。
結局、あの後も先生は色んな子に呼ばれて
私たちの所へ戻ってくることは無かった。
同じ班だからいっぱい喋れると思ったけど
先生だもんね。 人気者だし …
そんなことを考えてると
後ろから足音が聞こえて、私は振り返った。
煙草を咥えながら 、こちらへ歩いてくる先生
何しに来たんだろう …
先生は甘い声でそう言った。
煙草も捨ててくれて、本気で聞く姿勢に入ってくれる。
私はゆうたくんと気まずくなってしまったことを話した。医療室でゆうたくんに言われたこと、そしてご飯を食べてた時に「 なんもないから 」と言われたこと。
私が話してる時も先生は うんうん、と頷いてくれていた。
話終えると先生は、「 なるほどねぇ 」と顎に手を当てる。
なんとなく納得がいった気がして、
私は頷いた。
こればっかりは、ゆうたくんとしっかり話さないと
解決できないような…
先生はそう言って私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
先生の言ってることはよく分からないけど
先生に頭を撫でられるだけでとても安心した。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!