⚠️注意 必ずお読みください⚠️
ここには、同性愛についての偏見が含まれております。
短編集書いてて今更なんだという感じではあるんですが…、あくまでも物語上の設定でございます。
ただ登場人物としての心境を書くとそうなってしまったので、気に触る方はスルーして頂けると幸いです。
長文失礼致しました。
ほんとそりゃそうだ、って感じだ。
ぺんとは僕と話してるとあまり口には出さないが、裏で結構ヤバ目なのはしってる。
先輩後輩同士。
大学から今までの間、長い付き合いだろうし。
好きなものの系統とかも似てるから、合うネタも多そうだ。
今は、つかさの今後について考えている。
整体師を始めて時間は経ったが、まだまだ進展が欲しい。
オンラインで話し合い、現在休憩タイム。
雑談時間、ってところ。
僕はペットボトルの水を飲みながら、つかさの悩みを聞いていた。
聞くところによると、最近あまり話せてないらしい。
整体師も忙しいし、ぺんとさんもゲームチャンネルの撮影.編集で忙しいし。
どちらも多忙なのは承知してるらしい。
だけど。
しっかり気を休められる場がないな、と嘘をついていた。
つかさはまだ自分自身の気持ちに気がついていない。
多分ぺんとと居ると落ち着くから会いたい、と思ってるんだろうけど、
それはきっと好きってことなんだろうな…なんて自分勝手な解釈をしてみたり。
別に人の恋愛をどーこーと口出しはしないが、まだ同性愛が完全に浸透していないこの世じゃ、
大っぴらにやればダメージを受ける可能性もある。
早く浸透して、悩む人を減らしたいなぁ…なんて考える。
次の僕の仕事かな…笑
ただそれをそのまま言うわけにもいかないし、ってのが今の気持ち。
ぺんとさんは結構ロマン求める人だし、告白も自分でしたいんじゃないかな。
親友に予定聞くくらいどうってことない。
「もしかしたら予定入るかもだから」と
仕事を急遽入れるかもと言う言い草でも付けときゃ怪しまれることはないだろう。
現在時刻2時30分。
そろそろ遅い時間だ。
僕も後30分くらいすれば寝るし、ブルーライトの浴び過ぎは良くない。
僕はぺんとにメールを送るか迷ったが、遅過ぎるなと思い辞めた。
僕は、今日も早起きをした。
…ちょっと無駄な早起きだったかな、と後悔する。
今日は整体院休み。
特にこれといった用事は入れていなかったので…買い物でも行こうかなぁと考える。
重たい体を起こす。
…すると、隣で携帯に通知が来ていることに気がついた。
…LINE、か。
誰だろうか。
今は朝早いし、たぬきんくん起きてるわけないし。
不思議に思いそのメールを開くと。
「つっくん、最近会えてなかったから、今日久々にどう?」
一気に目が覚めるのが分かった。
本当にこれの送り主はぺんとさんだろうか。
もう一度見直してみるが、やはりぺんとさんで間違い無さそうだ。
……。
今日空いてる、相手も今日空いてる‼︎
こんな偶然あるんだ、とついニヤついてしまった。
僕はどう返信するか悩む。
うーん、「僕もたまたま空いてたんですよ〜」とか?
ちょっと不自然かな。
「あ、良いんですか?今日整体院休みなんです笑」…とか?
お、良いじゃん。
我ながら良い文章だと思う。
誤字らないように慎重に打ち込む。
…すると、1分ほどで既読が付いた。
「あほんとに?良かった〜!じゃあどこ行こうか……。」
喜んでくれ、てる?
良かった〜って言ってくれてるし…。
「ぺんとさんにお任せしますよ」
「だよね〜、つっくん行きたいとこない?」
つっくん呼び……‼︎
僕はこの呼び名が、結構好きだった。
みんなの前では最近「つかさ」とか「つかさくん」とか呼ばれてたけれど、
2人になるとつっくん呼びしてくれる。
この特別感が好きで。
なんか、ぺんとさんの特別枠に入ってるんじゃないかな…、なんて勝手な妄想だけど。
「僕ですか?んー…あ、今日丁度買い物行こうかなって思ってたんですよ。どうです?」
僕の要望を言うのもどうかなと思ったが、ぺんとさん優しいし、
自分の意見なんて遠慮してくれるだろうなと考えた。
「お!良いじゃん良いじゃん!じゃあ俺車出すから…何時くらいが良いかな。ゆっくりで良いんだけどさ」
「車出してくれるんですか!?いやぁー流石ぺんとニキ!」
「まぁまぁ任せろって!安全運転で行きますよ?」
「じゃあ…。10時とかですかね。僕今起きたんです笑」
「おーけーおーけー、俺もさっき起きたし、丁度良いかもだなぁー」
「ありがとうございます、待ってまーす」
「あいー」
ふぅー……。
肩の力が抜ける。
なんだか緊張しちゃうな、遠隔だというのに。
しかし、ぺんとさんは優しい。
前々からわかってたけど、久々だからか改めて感じた。
自分より人、やっぱ良い人だ。友達の多さにも納得。
そして僕は携帯の時計を見る。
10時まではあと1時間。
さぁーて。
何を着て行こうか。
せっかくだしオシャレしたいな、なんて思ったり。
いつも以上に気合が入ってる僕に、違和感を覚えた。
僕は僕の家の前に停められたぺんとさんの車に乗り込む。
笑顔で僕を出迎えてくれる暖かさは、いつになっても変わらなかった。
久々の助手席。
そういやこんな乗り心地だったっけ…、と何故か懐かしさを覚えていた。
さっきまで緊張で見れてなかったぺんとさんを見る。
……あれ。
そうだ。
いつもなら絶対シャツで来るのに……‼︎
ぺんとさん、今日は赤色のセーターを着ていた。
似合ってる、すんごい似合ってる。
僕のオシャレ発言に、ぺんとさんは照れたような笑みを向ける。
あぁ、良い顔だ。
シートベルトをしながら彼の話に耳を傾ける。
珍しい。
しかもなんか似たようなセーター見たことあるような。
これぺんとさん自分で選んだのだろうか。
…だとすれば、結構殻を破ったと思う。
「似合ってますよ」と本心から言うと、「やっぱつかさはいい奴だ…。」と感嘆の声を漏らした。
嬉しい、嬉しい。
ぺんとさんと仲良くなれて本当に良かった。
遊べて良かった。
心の底からそう思った。
実は結構気になっていた。
ぺんとさんはそうだなぁ…と悩んだ後、ニコニコして僕をみる。
これは…。察せ、ということなのだろうか。
つかさなら分かるよな、とそう圧をかけているのだろうか……!
まぁどちらにせよ僕には都合の良い選択肢だ。
明日整体院の予定は午後から。
それを知っての「明日まで」なのかは分からないが、念のため言っておく。
ハンドルを切りながら満足そうにいうぺんとさん。
あぁ、やっぱりそういうことだったのか。
いやぁ…しかし。
ぺんとさんとの久々お出かけで、まさか泊まりまで行けるとは…。
正直思っても見なかった展開だ。
嬉しすぎる。
ぺんとさんは運転頑張ってくれそうだし、僕はホテル探しかなぁ。
「どんなとこにしますか…」と相手の意見を聞きながら、携帯で近くのホテルを探し始める。
すると、上に通知が来た。
誰からだろうか。
まぁー、後でいいよね、と無視して続ける。
え、えぇ⁉︎
え、ぺんとさん今なんて言いました?
これが僕の聞き間違いなら結構…、いや相当。相当恥ずかしい。
でも今彼は、彼はほぼ確実に「シングルベッド」と言ったはず。
恐る恐る横を見ると、普通に運転するぺんとさんがいた。
いや驚くだろ。
なんでいきなりそれ出てくるのか分かんないもん。
「いやいやいや…」と引いた僕に対して、ぺんとさんは不敵な笑みをぶつける。
なんか…、え、怖い。先輩の裏の顔が見えてしまった気がする。
何かの冗談か?
んー…その可能性低いけど…。
焦りを隠すようにそう言う。
目の前を見ると、赤信号だった。
動きの止まった車。
こちらを向いたぺんとさんの顔。
よく分からない声が出る。
顔が一気に熱くなってゆくのを感じつつ、僕は窓に目をやった。
見てられない。
あのぺんとさんの顔は。
幸い運転中なので何かされることはないだろうけど、宿行くのこえぇな…と寒気がする。
ヤバァイ、ぺんとさんヤバァイ。
あれからショッピングモールに行くも、買うものなし。
それどころか混みすぎて混みすぎてもうボロボロになってここまで来た。
流石のぺんとさん。
カードゲームを持ってきたらしいので、宿でそれやってゆっくりしようとの事。
そこそこ良い感じのホテルだった。
綺麗だし、広いし。
最終的にホテル選びはぺんとさんに任せたのだが。
彼にしては中々良いところを選んだなぁ、と失礼なことを思う。
車から降り、ロビーに入った。
中に入ると……。
広い、綺麗、広い、綺麗‼︎‼︎
すごく良いところだ。
やるじゃんぺんとさん!良いところ選びましたよ‼︎
……そして僕は、今一番気になる寝室へと行く。
こっちかな?
とドアを開けると。
そこには、丁寧に整頓された一つのベッド。
狭い、一つは狭い。
ここで寝る…?
いや、僕はソファーで寝よう。
僕が絶望するのを後ろから眺めていたぺんとさん。
「ソファーで寝ます…」と小さな声で呟くと、彼は僕の脇を持った。
なになになになに⁉︎
そう声を出す暇もなく、僕の視界は高くなる。
脇に少し痛みが走った。
……あれ、どうなってんだ今。
高い。
視界が高い。
脇が重い。
高い高い……?
たかいたかいッ⁉︎
必死に抵抗するも、全然降ろしてくれる様子はない。
なんなんだ、なんでなんだよ⁉︎
何故いきなり先輩に高い高いされなきゃならないんだ⁉︎
しかもこの状態で照れてる自分も恥ずかしい。
こうやって甘やかしてくれるのも、ぺんとさんだけだし、ぺんとさんも自分にしかやってくれない。
……あ、と今更のことを思い出す。
この機会を作ってくれたのは社長だ。
僕の悩みを真摯に聞いてくれて、ぺんとさんにも連絡とってくれて。
あぁ、ありがたき。
そして。
なんて至福で最悪な時間なんだ。
早く降ろしてほしいが、このままで居たい。
うぅ、どうすれば……。
一瞬、一瞬ではあったが、僕の唇にぺんとさんの唇が重なった。
どんどん熱が込み上げてくる。
やばい、このままでは。
この関係が好きなのに、このままでは終わってしまう。
ぺんとさんはそれを許し、今まで通りに接してくれるのだろうか。
そんなことを深く考える余裕もなく、僕の身体はベッドに置かれる。
優しく置かれた僕の身体は、強張っていた。
長い前髪を左に垂らしているからか、目元が暗くなっているぺんとさん。
一度舌なめずりをすると、色気全開の笑みで僕を見つめる。
そんな目で見られて、こんなにドキドキさせられて、ベッドまで連れてかれて。
僕が今首を横に振る理由はあるのだろうか。
ぺんとさんは悩む僕を急かすことなく、変わらない瞳で見てくる。
そんな…、そんなカッコいい目で見られたら……。
僕がOKを出すと、一気に口舌をぶち込んでくる。
やばい、ぺんとさん本気だ……。
すぐにベストを脱がされ、僕の胸が露わに。
ぺんとさんは僕の頂点をつまみながらキスをしてきた。
はぁ…、これから繋がれることを考えると、どうも下が熱くなる。
「何、早いね」と笑ってくれたぺんとさん。
………好きです。
メール
いぬたぬき:つかさ、ぺんと結構性欲強いからね。
言うの忘れちゃったけど、ヤバめだよww
ホテル行ことか言われたら検討しなね、ほんじゃお気をつけて〜
ホテル選びの際に来た通知は、いぬたぬきからだった。
後ろを見ると、ニコニコ笑顔で僕の携帯を覗き込むぺん_________
『あれ、それ誰からなのかな?』
社長逃げてください。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!