もうそろそろだ。朝日が昇る。
美しい光が暗い群青色を徐々に茜色に変えてゆく。あまりの美しさに思わす瞬きをも忘れてしまう。“両目“を見開いて見入る。
私は何も持っていない。お金も、家も、家族も…名前も。この体も一部は誰かの何かになっている。
こんな素敵な時間も長続きはしない。私は呼ばれた方に行く。怖い。行きたくない。などと言う思考も許されないのだろう。
それを言われてしまったらもう抵抗できない。大人しくこの暴力の雨が止むのを待つ。
もう何もかもを投げ出したい気分だった。そうだこんな時はあれをしよう。
空はとても綺麗な水色をしている。雲ひとつない快晴だ。
あたりから私より年上の子たちが学校に行っているのが見える。笑い声が聞こえる。
ヒソヒソと話し声が聞こえる。内容はあまり良いものではなさそうだ。
赤ちゃんの鳴き声が聞こえる。母親が必死にあやしているようだ。
甘い男女の声が聞こえる。周りの人からは避けられているようだ。
…寒い。起きる気力もない。
もう眠い。寝てしまおう。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。