閃光に包まれ、見えなくなったのもほんの一瞬。
一人一人の目が、正常な働きを取り戻していき、事の顛末を見届ける。
あなたのゲーム内の名前
「ハァ…ハァ…」
少年は俯き、息を荒らげている。対する死神はピクリとも動かなかった。
僅かな静寂を破ったのは、何かがひび割れていく音だった。その音は次第に大きくなり、その音の音源がどこにあるかは、一目瞭然となる。
キリト
「死神が…」
パキパキパキッと気持ちのいい音を出しながら、死神がひび割れていく。
そして、砕け散った。
クライン
「や…やった…のか…?」
全員
「うおおおおおぉぉーーーっ!!!」
エギル
「やりやがった…!すげぇよ…!!」
たった1人で超ボスクラスのモンスターを1人で倒した。これは偉業と言える。
クライン
「おぉい!あなたのゲーム内の名前!やったじゃねぇか!!」
仲間たちが呼びかける。だが、少年からの返答はない。それどころか、膝をつき俯いたまま、ピクリとも動かない。
キリト
「…あなたのゲーム内の名前…?」
沸騰しかけた空気が、徐々に冷えていくのを、その場にいた全員が感じた。皆が見つめる中、少年は崩れ落ち、地面に伏せた。
クライン
「お…おい…悪い冗談はやめろよ…あなたのゲーム内の名前ーーーーッ!!!」
アスナ
「嘘…!」
キリト
「皆落ち着け!」
慌て出す中、キリトがストップをかけた。
キリト
「まだあなたのゲーム内の名前は生きてるはずだ…!多分…気を失ってるだけだ…!本当に死んでしまったのなら…消えるはずだ…!」
キリトの一声でその場の全員が、落ち着きを取り戻す。しかし、依然危険な状態であるのは間違いないだろう。
キリト
「待ってろよ…!あなたのゲーム内の名前…!お前を1人にはさせない…!!」











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!