第7話

灯り
9
2025/05/14 12:00 更新
文化祭の夜、校庭には灯りが並んでいた。
模擬店も終わり、打ち上げの準備で人が集まっている中、僕と苗葉はこっそり屋上に向かった。

「ねえ、今日ね、言いたいことあるの」

風が少し冷たい。隣でしゃがみ込む苗葉が、カバンから何かを取り出す。

「これ、見覚えある?」

それは、彼女のペンダント。以前、僕がこっそり拾って、元の場所に戻しておいたものだった。

「……見てたんだ」

「うん。拾ってくれてたこと、ずっと前から知ってた」

苗葉は僕を見上げる。その瞳に、灯りが映っている。

「七煌くんって、優しいよね。言わなくても、ちゃんとやってくれてて。だから、私もちゃんと……言うね。ありがとう」

僕は何も言えなかった。ただ、胸がじんと熱かった。

プリ小説オーディオドラマ