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第1話

《   読 み 切 り   》
940
2019/12/31 07:06


『 ··· 』




家に帰ったら 、 ソファの下で体育座りをして
ちょこんと小さくなってる彼女 。


「 ただいま 、 」



そんな彼女を見て 、
傍にしゃがみ込み優しく頭を撫でた 。




『 おかえり涼介 』


「 うん 、 どうしたの ご機嫌斜め ? 」


『 ··· 涼介 、 さっきまでは何曜日 ? 』


「 んと ·· 金曜日 ? 」


『 正解 、 金曜日 』


「 おお 、 やった 。 んで 、 ? 」


『 涼介のドラマ観てたの 、 』


「 ああ ·· セミオトコ ? 」


『 うん ·· 』


「 んん 、 どうした 、 」


彼女の頬を優しくスリスリっと撫でて優しく問う


『 ぎゅうってしよ ? 、 ぎゅうって ·· 』


「 いいよ ? おいで 」


『 ん っ ·· 』


いつもより甘えた声でふわふわとしてる彼女 、
近くのテーブルには透明なコップの中に
少しの白い泡が残っているから ··


きっとお酒が入ってるんだろうけど 、






「 よしよし ·· っ 」


『 生きてていいんだよ 、 って言って ·· 』


「 ん ? 、 ドラマの台詞 ? 」


『 私もそれ言われたい ·· 、 』


「 んじゃあ 、 言えばいい ? 」


『 ん ·· 、 言って 』


「 ·· 生きてていいんだよ 。 」


『 もっと ·· 』


「 俺の為に生きて ·· ? 」


『 ん ··· っ 』



包み込む様に抱き締めれば
さっきよりもぎゅうっと抱き締める力が強くなる


愛おしく思える彼女が好きでたまらない 、






「 ヤキモチ妬いちゃったの ? 」


『 ん ·· ちょっとしちゃった 、 』


「 んん 、 かあいいね 」


『 涼介デレデレしてた ·· っ 』


「 でもドラマだよ ? 、 それでもやなの ? 」


『 ·· やぁ 、 なの 』


「 そっかぁ 、 ごめんね 、 ? 」


『 うん ·· いいの っ 、 』


「 ん ·· 、 ありがと 」


『 涼介 ··· 好き っ 』


「 俺も好きだよ 、 不安にさせてごめん ·· 」


『 セミオトコ ·· もう観ない 、 』


「 っえ 、 観てよ 一緒に観よ ? 」


『 ヤキモチするの 、 やだもん ·· 』


「 いいじゃん 、 一緒に観れば大丈夫だよ 」


『 大丈夫かな ? 、 』


「 ん ·· 大丈夫 、 」


『 手繋いで観ようね 、 』


「 そうだね 、 そうしよっか 」




頭をぽんぽんっと優しく撫でると
ふふっと微笑む彼女がやっぱり可愛くて



「 やっと笑ってくれた 、 」





そう言うと照れた様に笑うから 、


そっとその小さな可愛い唇に口付けた 。







                     _ END .


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