オーロラに照らされた淡青色のエントランスには、まるで豪華な装飾品を磨くかのように、ひんやりとした冷気が延々と吹き抜けている。
あなたは柔らかい笑顔を浮かべた。
あなたの特待生はクスリと笑った。
しばらく氷の城の様な寮舎を歩いていると、つきあたりに、一際大きな扉が見えた。
あなたは扉の前まで歩いて、軽くノックする。
そう声をかけても返ってくるのは沈黙のみだ。
続いてあなたの特待生がコンコン、と扉をノックした。
扉を改めて見るとどうやら少し開いている様だ。
あなたはあなたの特待生の後ろから部屋の中を見る。
銀髪の男がソファーに寝転がる誰かに話しかける。
男の声のトーンからあなたはタイミングが悪かったことに気づき、頭を抱えた。
あなたは小声であなたの特待生に話しかける。
2人がその場を去ろうとした時、気になる話題が出ていた。
カチンッ、カチンッとライターを開け閉めする音だけが響く。
あなたはなんとなく気になり、少しだけ部屋の中、ソファーの上に寝転がる人物を見る。
美しい氷細工の様な青の瞳と僅かに青みを帯びた銀の髪。『氷の王子』と言うに相応しい容姿をした男がそこにはいた。
しかし、彼の機嫌が良いものではないのは誰の目から見ても明らかだ。
男が尋に問う。
尋は男を睨む。
尋が床に投げ付けたガラスの灰皿が割れるガシャンッという音に男の声は遮られた。
あなたの特待生が「そうですね」と言い終わる前に尋の低い、明らかにイラついた声に呼び止められる。
尋の氷の様な冷たく鋭い視線があなたの特待生とあなたを射抜く。
あなたはあなたの特待生の前に立ち塞がり、頭を下げた。
尋は、謝罪をするあなたを冷たい瞳で見上げながら高圧的に見下す。
尋と話していた銀髪の男は片眼鏡越しに露草色の瞳で品定めをする様にあなたを見つめる。
寮長室にギスギスとした空気が流れる。
あなたは2人の冷たい視線に臆することなく、感情の読めない琥珀色の瞳で彼らを見つめる。
尋は更にイラついた様子で舌打ちをした。
塔真と呼ばれた男は「泡沫マッチ」を片手にあなたとあなたの特待生に近づいた。
あなたはゆっくりと上体を起こした。
尋はゆっくりと優雅に、しかし威圧的にあなたとあなたの特待生に近づくと、ドンッと扉を足で閉めた。口に咥えているタバコから煙が立ち上がる。
怯えて声を漏らすあなたの特待生に対してあなたは堂々としていた。恐れも怯えも何もない。ただただ底なし沼の様な琥珀色の瞳で尋を見据える。
尋はそれだけ言うと室内の奥に戻った。
あなたは改めて頭を下げると、困惑する彼女の手を引いてスタスタと部屋を出た。
続いて塔真も眉間に指を当てながら寮長室を出て、あなたとあなたの特待生の姿を探すが2人はもう廊下のかなり離れた場所にいた。
塔真は諦めた様に肩をすくめ、スタスタと先を歩く2人の背中を見つめた。
塔真の呟きは誰にも拾われることなく氷の城の氷の廊下にこだました。
スポットライト枠
.゜➕.゜➕.゜➕.゜➕.゜蓮⚖️.゜➕.゜➕.゜➕. 様(間違っていたらすいません!)
無機質 様
🍒莉々奈 サボり魔 様
Akari 様
スポットライトありがとうございます!











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。