今の状況を説明しますとですね…
さっきの怖い男の人に右手を掴まれご主人様に
バックハグされてる感じです
今私は色んなところが猛烈に痛いです
右手を強い力で掴まれて多分手形の痣なってると思う
そしてご主人様にバックハグされてるんですが
その手が肩を掴んでましてその肩がなんとさっき貫通したところでしてね
もう…痛くて痛くて
しかもこの場の空気が悪すぎるといいますか…
この怖い人とご主人様の睨み合いが火花を散っていて怖いったらありゃしない
ご主人様…私はものではないんですよ……(泣)
おじさんって……確かにこの人顔は怖そうだけどまだおじさんって歳じゃないでしょ
やっぱりまだ下僕なんだな…
覚えててくれたんだ…
ちょっ待って痛いって普通に痛い
びっくりした……肺活量化け物じゃん
こっわ!え?何この人こんなに怖かったの?
さっきの人を殺せる優しい笑顔はどこいった!?
怖い人が手を離したことによりご主人様に抱きしめられてる力が増してさらに肩が痛くなった
…………………………
そう言うとご主人様は私を横抱きしたまま時透邸に入っていった
え!?無視しないで!?怖いんだって!
あれ…でも何かいつもと雰囲気が違う?
時透無一郎の体を纏う気が、わずかに乱れた
ほんの一瞬
だが、すぐに元の気配に戻った
どういう事…?
次第に声が小さくなった
え?なんで?今何された?
ん?おでこ痛い
あ、今デコピンされたのか
……は?なんで?
え、待って待ってすごく痛いんだけど
明日たんこぶになるってこれ
柱だよね?力加減考えて欲しいよ…
こちとらごくごく普通の本当に普っ通の女子中学生
うん、それで柱の力でデコピンされたらただじゃ済まないよね
……もういいや
うん、仕方ない転生したんだこれ
そうだねうん受け止めよう
よし 寝よう
そうして私は疲れた体を湯船で流してお布団に入ったとさ
-----お風呂時-----
傷ができた時にお風呂に入るのは命懸けだと学んだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。