第7話

Chapter7
218
2019/03/16 15:54
あなた
King & Prince、あまりよく知らなかったので今日から見ますね!
平野紫耀
平野紫耀
ありがとう!友達にも広めておいてね(笑)
あなた
それはいつか私がショウさんと話したことがあるってことがバレそうなので、やめておきます
平野紫耀
平野紫耀
まーた、ショウさんじゃん。結局敬語も治ってないし!
あなた
あ……
平野紫耀
平野紫耀
次までには直しておいてね?
あなた
次?
平野紫耀
平野紫耀
リュウと仲良いんでしょ?また3人で集まろうよ、リュウの家でよければ(笑)
あなた
それは楽しみにしてます
正直社交辞令に決まっている。

そう思うのと裏腹にどこか楽しみにしている自分もいた。

夏の夜は、少し肌寒い。

夏の夜は、静かだ。

私と紫耀くん以外、誰もいない。

何も聞こえない。

それだけで、胸がドキドキと高鳴ってしまうこの現象に私は目を背けていた。



プルルルル…プルルルル…
あなた
紫耀くん、電話です……だよ?
平野紫耀
平野紫耀
あ、うん。ちょっとごめんね
仕事かな、なんて呟いてケータイを見た紫耀くんの顔つきは一瞬にして変わった。


それはどこか嬉しそうで。


そしてどこか悲しそうで。



どこか寂しげで、儚い。



すぐに壊れてしまいそうだと思ってしまう、そんな表情をしていた。
平野紫耀
平野紫耀
……もしもし?
平野紫耀
平野紫耀
今?もうすぐ家に帰るところだよ。
平野紫耀
平野紫耀
え?……いつどこで誰が見てるかわかんないからそんなことしないでって前も言ったじゃん
内容的に、彼女さんかな?

話し方も私に話してくれる優しさとはまた違った優しさの話し方だ。

紫耀くんのかっこよさで、ジャニーズなら、彼女がいたっておかしくないし、むしろ彼女がいない方がおかしい。


なのに、彼女と思わされるような存在がいることに少し悲しくなってしまう私の心は、どうなっているのだろう……
平野紫耀
平野紫耀
とにかく、あと少しで帰るから近くのコンビニで待ってて。絶対家の前では待ってないでね?
平野紫耀
平野紫耀
……うるさい。切るよ?
そう言って電話を切った紫耀くんは、私の方をチラリと見て、ごめんね、と申し訳なさそうに謝った。

あなた
私の方こそ……内容ちょっと聞こえちゃった
平野紫耀
平野紫耀
内緒にしてて、ね?
あなた
うん、あ、待ってるんだよね?電話の人。もう角曲がってすぐだからここでいいよ!
平野紫耀
平野紫耀
そうなの?じゃあお言葉に甘えて。
あなた
今日はありがとう。紫耀くんが来なかったら私今頃途方にくれてたよ(笑)家まで送ってくれて本当にありがとう
平野紫耀
平野紫耀
こちらこそ、リュウのやつが迷惑かけてごめんね?あんなだけど、これからも仲良くしてやって?
あなた
もちろん(笑)
平野紫耀
平野紫耀
やっぱり心配だから、連絡先教えて?家に着いたら連絡して
あなた
え、でも……大丈夫なの?
平野紫耀
平野紫耀
それくらい大丈夫だよ(笑)
紫耀くんが大丈夫と言うからということで、LINEを交換した。
平野紫耀
平野紫耀
じゃ、また3人でご飯でもしよう!気をつけてね!
あなた
おやすみなさい
そういうとニッコリ笑った紫耀くんは大通りの方へ向かった。多分相当家が遠いから、タクシーを使って帰るのだろう。


紫耀くんの彼女さんに迷惑をかけちゃいけないと思って、もうすぐ家だなんて嘘をついた。


だけど、あたらしい友達にいる紫耀くんの連絡先をみて、どうしてだか口角が上がらずにはいられなかった。

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