第7話

道満くんのお手伝い
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2026/03/25 10:00 更新
翌朝、あなたの名前より先に目を覚ました道満。



見慣れない天井に一瞬体が強張るが隣を見るとまだ眠っているあなたの名前の姿があって体の力が抜ける。


蘆屋 道満
そっか、俺…



コイツに拾われたのか…。



そう思い、布団から出て部屋をウロウロする。普段ならとっくに食べ物を探し歩いている時間だ。



こんなに平和な朝を迎えたことがなく、何をしていいのかわからないようだ。


あなた
ん〜…
あなた
…おはよう、起きてたんだね



少ししてあなたの名前も目を覚ました。


蘆屋 道満
お、おう…


あなた
よく眠れたかい?



蘆屋 道満
…まぁまぁだな



口ではそう言っているが目の下の隈も薄くなり、昨日より顔色も良くなっている。


蘆屋 道満
今日から俺はどうすればいいんだ?



あなた
そうだね、一通り家事を覚えて貰おうかな



蘆屋 道満
げ、俺物覚えるのは苦手なんだよ…



あなた
あれ、道満には難しかったかな?
あなた
僕は覚えたけどね



蘆屋 道満
んだと!?
蘆屋 道満
俺だってそんぐらい余裕だし!!!
蘆屋 道満
とっととやるぞ!!



あなた



一日にして道満の性格を理解したあなたの名前であった。
その壱 朝食の準備


あなた
式神に手伝ってもらいながらやってみてね



蘆屋 道満
おう




式神に連れられながらキッチンに向かった道満。










しばらくすると何やら焦げ臭い匂いが…


あなた
道満、できたかい?



蘆屋 道満
割といい感じにできたぞ



そう言って見せてくれたのは焦げすぎってレベルじゃない真っ黒な焼き魚。


あなた
…これは


式神
『火加減を間違えたみたいで…』
式神
『ごめんなさい!!』



あなた
あなたの一人称より上手にできたね
あなた
すごいよ、料理の才能があるんじゃないかい?



あなたの名前は料理を作ると原型を留めないほどの暗黒物質ダークマターになるのである。


蘆屋 道満
だろ!!!



その弐 掃除



蘆屋 道満
…このクソ広い屋敷を?



屋敷の中だけでなく、とっても広い庭までついているあなたの名前の屋敷。


蘆屋 道満
それにこれってどう使うんだ?



それに加えて掃除用具の使い方がわからない道満。


あなた
これは…



あなたの名前は道満が手に持っている箒を見て考えた。


あなた
空を飛べるやつだね



ボケではなく素で言っているあなたの名前。


式神
『あなたの名前様、違います』



その参 あなたの名前の話し相手



蘆屋 道満
ってこれは家事関係ねぇーだろ!!



あなた
あなたの一人称とお話するだけだよ
あなた
簡単じゃないかい?



蘆屋 道満
俺、気の利いた会話とかできねぇぞ



あなた
あなたの一人称は別に気の利いた返事なんか求めてないよ
あなた
ただ、話し相手が欲しいだけなんだ




そういうあなたの名前はどこか少し悲しそうな目をしていた。


蘆屋 道満
…しょーがねぇな
蘆屋 道満
その代わり、面白くなくても文句言うなよ?



あなた
…!
あなた
ふふっ、ありがとう




道満の不器用な気遣いに心が温まったあなたの名前なのでした。

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