シルラに弟子になれ、と言われてから四年が経った。
長いようで短くて、それでもやっぱり長い、そんな時間だ。
「もう降りてきていいぞ」
地上からシルラの声がする。
体を浮かす魔法を解除して着地する瞬間、シルラから攻撃魔法が放たれた。
「シルラさん、こういう時に撃ってくるの、良くないです」
あはは、とシルラが笑う。
「防げてるくせに、よく言う」
あーあ、とシルラが溜息を吐いた。
「あんなにちっちゃかったのに、一丁前に魔法使えるようになっちゃって」
「何言ってるんですか、もう16ですよ」
「15じゃなかったか?」
もう同じくらいの高さになった青緑色の目がこちらを見た。
「僕先週誕生日だったのでもう16なんです」
ノアが少し自慢げに言うと、長い睫毛を伏せて
そうか、早いな、と呟いた。
「もう一戦するか?」
「まぁ、別に」
いいですけど、と言おうとした時、ノアの頭に
バリン、と何かが割れる音が響いた。
「シルラさん、これ...」
シルラの方を見ると、この世の終わりの様に、青ざめている。
「....シルラさん?」
「ウォーロック用の結界が...壊された」
「え...?」
パリパリと、軽快な音が続いた。
こちらに向かってきている。
ふと、草を踏む音が聞こえた。
「やっと会えたね、マイハニー」
べたべたと纏わりつくような口調で黒い癖っ毛の男は言った。
「何の用だ、エルバ」
そう男を睨んだシルラの手には杖が握られていた。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!