第30話

邂逅
256
2026/07/02 08:23 更新
シルラに弟子になれ、と言われてから四年が経った。
長いようで短くて、それでもやっぱり長い、そんな時間だ。

「もう降りてきていいぞ」

地上からシルラの声がする。
体を浮かす魔法シュリーヴンを解除して着地する瞬間、シルラから攻撃魔法が放たれた。

「シルラさん、こういう時に撃ってくるの、良くないです」

あはは、とシルラが笑う。

「防げてるくせに、よく言う」

あーあ、とシルラが溜息を吐いた。

「あんなにちっちゃかったのに、一丁前に魔法使えるようになっちゃって」

「何言ってるんですか、もう16ですよ」

「15じゃなかったか?」

もう同じくらいの高さになった青緑色の目がこちらを見た。

「僕先週誕生日だったのでもう16なんです」

ノアが少し自慢げに言うと、長い睫毛を伏せて
そうか、早いな、と呟いた。

「もう一戦するか?」

「まぁ、別に」

いいですけど、と言おうとした時、ノアの頭に
バリン、と何かが割れる音が響いた。

「シルラさん、これ...」

シルラの方を見ると、この世の終わりの様に、青ざめている。

「....シルラさん?」

「ウォーロック用の結界が...壊された」

「え...?」

パリパリと、軽快な音が続いた。
こちらに向かってきている。
ふと、草を踏む音が聞こえた。

「やっと会えたね、マイハニー」

べたべたと纏わりつくような口調で黒い癖っ毛の男は言った。

「何の用だ、エルバ」

そう男を睨んだシルラの手には杖が握られていた。


















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