鳴子は明後日の方向を見て頬をぽりぽり掻きながら、せやなー。と言っている。これ絶対せんやつじゃん。
ハァとため息をつきながら、気をつけてねと言って見送った。
あなたの下の名前の家を出た鳴子は自転車に跨って大きくため息を吐いた。
ワイ...よく耐えた。
そう心の中で叫びながら寒空の下ロードバイクを押しながら帰宅したのだった。
数日後、テストの結果が発表された。
鳴子は神妙な顔でこちらを見ている。
まさか、悪かったのではあるまいな。
あなたも鳴子を見返し、ジッと言葉を待つ。
微妙だぁ!!!と心の中で叫ぶ。
鳴子の隣にいた小野田くんもうんうんと頷いている。
あなたは少し寂しそうにでも笑顔でそう言った。
小野田はその表情に違和感を覚えた。
あれ、あなたの名字さんなんか、悲しそう?ううん、何か違うなぁ。でも鳴子くんはあんまり気にしてなさそうだし、気のせいかも。
鳴子が部活に向かうと言うので、小野田もあなたにお辞儀をして一緒に向かった。
1年生3人で練習中、元気がなさそうな小野田を見越して、鳴子が話しかけた。
あー、そうゆうことか。
小野田くん意外と鋭いとこついてくるな。
鳴子はざっくりと落車事故で怪我をして、大好きなロードバイクに満足に乗れなくなった事を話した。
ぎゃーぎゃー言いながら走っていたが、前を走っていた手嶋に追いつき、おい!1年真面目に走れよ!と怒られながら練習が終了したのだった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。