ある日の朝、わたしは朝練終わりで廊下を歩いていた鳴子と今泉くんにばったりでくわした。
その隣で、おはようと今泉くんが言った。
鳴子の腕に肘をぐりぐりしながら聞く。
すると、鳴子は目を見開いて、今日は雪でも降るんか!?と騒ぎ出した。隣の今泉くんは迷惑そうな顔をして、冬なんだ。雪ぐらい降るだろう...騒ぐなうるさい。と言っているが、お構いなしに、「おい!スカシ聞いたか!あなたの下の名前が昼飯誘ってきたで!」と言っている。
確かに、同じところに偶然居合わせることはあったけど、約束したことはなかった気がする。
ちょ、それは小野田くんにわる...と言おうとしたけど、もう遅かった。もう廊下にすらいない。
スピードマン鳴子、早いのは自転車に乗ってる時だけじゃないのか。鳴子を呼び止めようとした手が宙を掴んだ。
後を追うように今泉くんが、じゃあまたな。と言って歩きだした。その時、ハッと思い出した。
今泉くんがまた教室に向かって歩き出したのを見て、わたしも自分の教室に向かった。
昼休憩になる前の小休憩中。
今日は、あなたの下の名前から昼飯に誘われ、小野田くんもタイミングよく美化委員。いつもやったら、なんで昼飯が1人なんやー!友達と食べる昼飯が自転車乗ることの次に楽しみなのに!とかゆうとるけど、今日は小野田くんおらんでも1人やない!そしてその相手があなたの下の名前!これはチャンスや!
始終にやけずらでいる鳴子の顔をほのぼのとした顔で見つめている。
机に足を入れてきちんと座っている小野田と、椅子に跨って小野田に話しかけている鳴子の横から、おい、鳴子。と1人話しかけてきた。
それだけ言うと今泉は教室を後にした。
中庭か。
この冬のさっむい中で中庭か。
ワイがあっためたる〜とか言える気温ちゃうで今日は!
やめたほうがえんちゃう!?
よし。場所の変更を所望しようと心に決めた鳴子だった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。