お昼を告げるチャイムが鳴って、お弁当を持って中庭に急いだ。
ってさむっ!雪降っとる!え、今日雪降る予定だったん?鳴子に中庭ってゆうてしまった。どうしよー。
頭にハテナを浮かべながら言われた通り鳴子についていくことにした。
着いた先はなんと、自転車部の部室だった。
そして勢いよく部室の扉を開けて、あ。と言って扉を閉めた。
鳴子が体の向きを反転させて歩いていこうとした瞬間、また部室のドアが開き、大柄な男の人が出てきた。
その男の人はわたしを一目見たあと、鳴子の方を見てニヤニヤしている。
鳴子にコソッと、わたしも入ってもいんかな?と聞いてみたら、オッサンが入れゆうとるしええやろ。と返ってきた。
そのまま鳴子の後ろをくっついて部室に入る。
すごい天パの人もニヤニヤし始めた。
なんだとー!?と言って喧嘩が始まってしまった。
その光景にオロオロしていたわたしに、パーマ先輩と呼ばれていた、たしか...手嶋...先輩が話しかけてきた。
なんて優しい先輩なんだ。
穏やかで、きっとモテるんだろうなぁ。と思って顔を見つめていると、あなたの下の名前ちゃん...だっけ、えっと、俺の顔になんかついてる?と言われてしまったので、お礼を言って慌てて椅子に座った。
後ろで叫んでいる3年の大きい先輩を無視して鳴子が対面に座った。
そう言うと、少し離れたところでお昼ご飯を食べている大きい先輩のところに行ってしまった。
パンを頬張りながら鳴子が聞いてきた。
言った瞬間鳴子がむせてしんどそうに涙を浮かべている。
食べ終わった鳴子は立ち上がって、手嶋先輩となにやら話した後、今日部活ないみたいやから授業終わったらそのまま家行くわ!と言った。
大きい人...田所先輩は、おう!またな!と言い、優しい先輩は手を挙げてくれた。
部室を後にした教室までの帰りは、鳴子のオッサンはどうたらとか、パーマ先輩はどうたらとか、そんな話を聞きながら帰った。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!