夏休みが始まってから1週間がたった。
もうお金はほとんど残っていない。
お腹すいた…喉乾いた…
暑い、喉の奥が痛い
唾が苦い。
もう何日もソファから動けていない。
動けない。
体に力が入らない。
夜が少し涼しくなるのが唯一の救いだ。
窓を閉める気力もなく、何日も開けっぱなしだ。
生ぬるい風が部屋の中に入ってくる。
早く…夏休み終わらないかな。
もうっ……限界っ
にゃお〜ん
声を振り絞って名前を呼ぶとマロは走って開いている窓からベランダに出ていってしまった。
マロが居なくなったら…本当に独りだ。
でも、追いかけてるほどの余力はなく
外に行くマロをただただ見つめることしかできなかった。
私の声はだんだん涙声になってくる。
やだっ、行かないでっ
私をひとりにしないで…
必死に手を伸ばすが届くわけもなく
私はそのまま眠りについた。
ピンポーン、ピンポーン
けたたましいインターホンの音で目が覚めた。
時刻を見ると16時。
まだまだ暑い時間帯だ。
取り立てに来た人だろうか。
無視してれば帰ってくれるだろうか。
返事もせずもう一度目を閉じる。
5分くらい経っただろうか。
まだインターホンは鳴り続ける。
流石にうるさい。
しょうがないので床を這いずるようにして玄関に向かう。
床はとても暑くて、途中から壁に寄っかかりながら向かった。
玄関の前に行くまでに相当な時間がかかってしまった。
扉の前までついた時、安堵で体に力が入らずそのまま崩れ落ちる。
必死にドアノブに手を伸ばして鍵を開ける。
「かちゃん」と音を立てて鍵が開いた。
開けた瞬間に扉が開いて、誰かが入ってくる。
誰…だ?
お隣さんだ。
なんで…?
あぁ…そうか
マロがまたお隣さんのベランダに入っちゃったのかな。
ごめんなさい…
お隣さんはそのまま私に触れた。
「ちょっとごめん」ってお隣さんは言ってから私を持ち上げた。
抵抗する気力もなく、私はされるがまま。
あぁ…神様
どうか…助けて…
そこで私は気を失った。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!