第4話

よん
418
2023/02/18 02:04
慎太郎side
 
あなたちゃんと手を繋いで歩く道。
あなたちゃん手、細くなってない?
ご飯ももらえなかったのかな……
ごめんね。
 
気づけなくって。
 
横浜でロケした帰り、君に会えるなんて思わなかった。
俺が幸せにするよ。
慎太郎
よし、着いた。車乗って?
あなた
うん
車の中では沈黙が続いた。
何話せばあなたちゃんが喜ぶんだろう。
 
そんなこと考えてるうちに


あっという間に自宅に着いていた。
慎太郎
ここが俺の家。部屋案内するね
 
 
あなたside
あなた
ここが……慎にぃちゃんの家?
何も私に踏み込まずに慎にぃちゃんの家に着いていた。
その家はすごく綺麗で、私には勿体無い
こんな最悪な私が着いて来ちゃって
ほんとに良かったのかな




慎太郎
ここがリビング。キッチンとかテレビは勝手に使っていいよ!
慎にぃちゃんは優しい。
こんな私にも居場所をくれるんだから。
あなた
慎太郎
そんで、ここがあなたちゃんの部屋!
あなた
そんな部屋なんて、大丈夫だよ?
慎太郎
いいの!使って?
あなた
あ、ありがとう
初めての扱いでちゃんと返事出来ないのは割愛。
慎太郎
まぁとりあえずお風呂入ってきな?
こんな時間だし、寝よ?
時計を見たらもうとっくに12時を超えていた。
慎太郎
着替えはお泊まり用に置いてある妹が着てたの着ていいよ!
妹さんにもめちゃくちゃ申し訳ないけど、

なにせ今着ているのしか服を持ってない。
慎太郎
はい!これ。
シャンプーとかは俺の使って!
行ってらっしゃい!
隙を与えさせないようにして、私が断らないようにしてる慎にぃちゃん。
気遣いができるいいにぃちゃんです。
慎太郎
おかえりー
慎太郎
ぴったりだね!可愛いじゃん
あなた
えぇえっ………と
慎太郎
ごめんね困るよね!じゃあ髪乾かしてあげる!
人とちゃんと喋ることが多分10年ぶりぐらい
お母さんがいた時だけだった。
小学校でも中学校でもちゃんとは喋んない。
だから会話能力が絶望的にない
あなた
ありがとう……
あなた
慎にぃちゃんはお風呂入んないの?
慎太郎
行ってこよっかな
慎太郎
あなたちゃんひとりで大丈夫?
あなた
うん
慎太郎
じゃあお言葉に甘えて!
慎太郎
テレビとか観て待っててー!
あなた
はーい
ひとりで待っていた時間
テレビを付けたら慎にぃちゃんが出てた。
家ではテレビなんて
電気代の無駄だって言われてたから
慎にぃちゃんがテレビに出てて、びっくりした。
つくづく慎にぃちゃんとの距離が
遠くなった気がした。
でも慎にぃちゃんは
それでも私を引っ張ってくれるのかな
1人になったらODしよう
そう思っていた心はどこかに消えてしまっていた

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