目を覚ませば、真っ白な天井。
少し鋭い香りのする、消毒の匂い。
重い体をゆっくりと起こすが、ズキズキと痛む。
だから、横になった。
横になれば、少しは楽。
目の前には、窓。
と、ベッドと同じくらいの高さの棚。
そこには花瓶が飾ってある。
しばらくの間、ぼぅっとそれをみていた。
『コンコンッ』
扉が開かれる。
私はそっとドアの方を見ると、
ゆっくりと、扉が閉まる。
持っている荷物を忘れて目に涙を浮かべる、二人。
こっちに向かって走って、ぎゅっと抱き締められる。
けど、わたし、わ、たし、?い、や、ぼ、く…
ぼくは、二人のこと、
知らない。
頬を膨らませて、怒ってるけど
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説明された。
どうやら私は、俗に言う『記憶喪失』というものらしい。
しばらく様子をみるということで、ぼくはもう一度横になる。
「「「…………」」」
痛い程の無言が続いた。
すると、またドアのノックの音がした。
『ガチャ』
ドアが開かれると、
『ズキンッ』
頭に頭痛が走る。
頭を抱えるぼくを傍にいる二人が心配そうに見ている。
そういって仁とまどかの後ろにいる4人を見るが、知らない。
だから、首をゆっくり、横に振る。






















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!