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第6話

6話💎
27
2026/05/01 12:08 更新
堀越高校・芸能コース。
普通の高校とは違い、生徒たちはそれぞれの夢を背負いながら、忙しい日々を送っている。
私もその一人だった。
モデル、女優として撮影をこなし
気づけば学校に来られる日は
週に数回あるかどうかだった
足りない授業数を放課後授業でカバーする
皆んなが楽しそうに下校する声が遠くできこえる
(なまえ)
あなた
誰もいないか…
教室の扉をそっと開けると
夕方の光が差し込む中
ひとつの席だけに人影があった
田中樹
田中樹
珍しいじゃん(笑)
彼は机に肘をつきながら
どこか気だるそうに笑った
最近はドラマ出演で一気に注目を浴びて
彼もまた忙しいはずだった。
田中樹
田中樹
仕事大変?
(なまえ)
あなた
うん…でも好きだから頑張れる
田中樹
田中樹
そっか
短い会話
でも、その“そっか”には
妙はな優しさがあった
沈黙が流れる。
窓の外では、オレンジ色の空が
ゆっくりと夜に変わろうとしていた。
田中樹
田中樹
あなたってさテレビで見るより
ずっと普通だよな?
(なまえ)
あなた
どういう意味?
田中樹
田中樹
いやいや。いい意味で!
ちゃんと笑うし
(なまえ)
あなた
テレビの私は笑ってないみたい…
田中樹
田中樹
無理してる感じはする
図星だった。
仕事では“理想の自分”でいなきゃいけない。
でも今は、ただの高校生でいられる。
(なまえ)
あなた
ありがとう
田中樹
田中樹
なにが?
(なまえ)
あなた
普通って言ってくれて
樹は少しだけ驚いた顔をしてから、ふっと笑った
田中樹
田中樹
じゃあさ?
もっと普通のあなた見せてよ?
モデルも女優も、全部好きなはずなのに。
求められる自分を演じているうちに
本当の自分がぼやけていく
(なまえ)
あなた
頑張ってるのにさ…
空っぽになる時あるよね?
沈黙。

言い過ぎたかもしれないと、少し後悔した。
でも――




田中樹
田中樹
わかる
俺もあるよ?
田中樹
田中樹
ドラマとかさ、評価されるのは嬉しいけど
“自分”じゃない役で褒められてる感じがして
(なまえ)
あなた
うん…
田中樹
田中樹
で、終わった後に、なんか残んないの
同じだと思った
田中樹
田中樹
でもさ
田中樹
田中樹
こうやって話せる相手がいると、ちょっとマシになる
(なまえ)
あなた
私も…
田中樹
田中樹
じゃあさ
俺の前だけでは無理すんなよ

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