係の生徒の声と共に、しゅうとの手首から鎖が外された
カチャリ、と軽い音が鳴る
夕陽が金属を一瞬だけ赤く染めた
柔らかく笑う
そのままトコトコと離れていった
そして、その背を見送り
その間に ガチャン
もう聞き慣れた音がした
真面目な顔で言ったので
つい吹き出す
笛の音が鳴る
頬を染める赤に
あなたは気づかない
2人は歩きだす
しゅうととも歩いたので
もしかしたら走った脳筋が異常だったのかもしれない
顔に出ていたのか、りもこんにそう聞かれた
中身はとてつもなくしょうもなく
しかも不謹慎なのでちょっと迷った
さらっと受け止められ、ニヤッと笑みを浮かべた
やはり不謹慎すぎたのかもしれない
そう反省していると
あなたが吹き出す
りもこんも笑った
〜〜なお、お役目御免組〜〜
りもこん視点
少しだけ肩の力が抜ける
さっきまで妙に緊張していた
鎖のせいか
距離のせいか
それとも別の理由か
でも、今はいつも通り言葉が出てくる
本当に危なかった
おそらく、多分、顔の赤さはバレていない
アイツのおかげで空気が軽くなった
快挙である
その時
手の位置を意識するのを忘れていたのか
あなたが少しこけ、前に出る
鎖が引っ張られた
距離が近い
目と鼻の先(物理)が似合う距離
いや近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い
顔を上げたあなたと目が合う
数秒前の余裕が吹き飛んだ
やめろよ、そういう無自覚の顔
罪深いんだよ法律違反だわ
やっと出てきた言葉は
この上ないワガママで、馬鹿みたいな言葉
なお、りもこんも知らない
やっと振り絞って出したその言葉
結構破壊力が大きく_____
係の生徒の声とともに、鎖が外れる
りもこんは手をひらひらと振りながら去っていく
そして
最後の相手が横に立った
カチャリ
いつもの口調
いつもの安心感。
昼間の賑わいは少し落ち着き、
校舎全体が柔らかな橙色に染まっている
学園祭が終わりに近付いている色だった
風が吹いた
窓の外で旗が揺れる
どこかの教室から拍手が聞こえた
祭りが少しずつ終わっていく
かざねは隣を歩くあなたを見る
最初の頃は、
もっと遠慮していた気がする
今は違う
ちゃんと笑う
ちゃんと怒る
ちゃんとツッコむ
それがすごく嬉しくて
これからも大事にしていきたいと思った
少しだけ笑って
即答だった
その答えが、なんだか心地良い
カチャッ
鎖が歩くたびに鳴る
それを見下ろす
ちょっとだけ、鎖を持ち上げて
イタズラっ子みたいな顔で言った
あなたは、一瞬耳を疑い、その後の言葉を待つ
危ないところにも
他の人のためなら、迷ってでも足を踏み入れるあなた
それで傷ついて、涙を流していたのを、
今でも覚えている
あなたは思い切り笑う
かざねは数秒見つめて
優しい笑みに戻った
夕焼けの中
その笑顔だけが少し優しく見えて、
あなたはなぜか目を逸らした
その先では
ふうはや達が大声で手を振っていた。




















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!