hkyg
yg side
まだ6つの原石ではなくて、四つ葉のクローバーだったころ、俺と北斗は、付き合っていた。
そう、これはあくまでも過去形。
四つ葉のクローバーが風に吹かれたかのように消えてしまった時から、俺と北斗の距離は物理的に遠くなった。
そこからあっという間に、俺と北斗の関係性は終わりを告げた。
正確に言えば、面と向かって何か言われた訳ではない。
俺が運悪く聞いてしまっただけ。
「髙地のせいでデビューできなかったんだ」
「髙地のことなんてだいっきらい。」
その後の話は聞かなかった。
いや、聞けなかったと言った方が正しいのかな。
最近北斗の対応冷たいなとは思ってたけど、まぁ、そういうものだと思う。
面と向かって嫌いと言われた訳じゃない。
それでも、そこまで憎んでる奴と付き合うなんて俺だったら無理だから。
そこから、俺と北斗の距離は急激に遠くなった。
それでもあの時の俺が辞退したという選択は、間違ってなかったなって思う。
俺がいるから、俺に当たれる。
じゃあ、もし、俺までいなかったら、北斗はどうなるんだろうって、
そう思えば何を言われても我慢できた。
この立場は、俺にしかできない立場で、
俺がいることで、少しでも北斗が前を向いてくれるなら。
俺は、北斗の為ならなんだってする。
そう決めたのも、あの頃だった。
今思えば、俺が北斗の話をたまたま聞いてしまったときにキッチリけじめをつけておくべきだったなと思うけど。
もう、過去には戻れないから。
仕方がなかったと思うことしかできない。
北斗は、まだあの時の俺の決断を知らない。
このことは墓まで持っていく。
それもあのときに決めた。
でも、それは建前でしかなくて、ほんとはもう、俺が北斗のことで傷つきたくないから。
ただ、傷つくことから逃げてるだけ。
今でも、北斗がああ言ってた日が近づくと、夢をみる。
北斗がああ言って、俺の前から消えていく夢。
その夢は、どんな夢よりも悪夢で、俺は毎年その日が近づくと寝れなくなる。
いい加減治したいけど、墓まで持っていくつもりだから、きっと永遠に治らない。
そう思ってたのに、ある日突然言われたんだ。
hk「髙地、俺の為にグループ辞退してたってほんと?」
驚きすぎると声が出ないってほんとなのかも。
この時初めてそう思った。
バラエティだったらお蔵入りだな。
俺ももっと頑張んなきゃ。
hk「ねぇ、髙地、どうなのよ?」
「そ、そんなわけないだろ。そもそもいつの話だよ」
hk「髙地、ほんとのこと言って」
「ほんとのこと言ってるよ。俺は、そんな話知らない。」
「俺は、北斗のためにグループを断ったことなんてない」
「俺は、自分のためにグループを断ったの」
hk「髙地、もう俺知ってるから。わかってるから。だから、髙地の口から聞かせてよ。」
なんで知ってんだよ。
墓まで持ってくつもりだったのに。
北斗も俺自身のことも傷つけたくなかったのに。
「グループを断ったのはほんと、でも北斗の為に断ったのかその時はわからない。あれは、咄嗟に出た言葉だったから。」
「っ、だからそんなに重く考えないでほしい。あれは、俺自身が選んだことだから。」
hk「そっか。」
hk「髙地、ありがとう。俺を選んでくれて。」
hk「あの時髙地が俺を選んでくれたから今がある。」
hk「それでも俺が言った言葉は言っていいわけじゃない」
「ぇ、なんのこと、北斗は何も言ってないよ」
hk「髙地、俺はもう俺が髙地にしちゃったこと全部知ってるの。」
hk「それでも、全部髙地の口から聞きたい。」
hk「わがままだと思う。でも、俺は、」
「わかった!わかったから、もう全部言うから」
やめてよ、俺がその顔弱いってわかってるから、その顔してるんでしょ
「それで許してよ」
「ね、お願い」
俺、辛いんだよ。
あの時のこと思い出すの、毎日自分の涙が流れるのを感じて起きるくらいの夢をみるから。
誰だって思いだしたくなんてないでしょ。
自分が付き合ってた人と別れる要因になったことなんて。
ましてや、いまだにその人が好きだったとしたら。
「俺は、今も昔も北斗には傷ついてほしくないの」
「それはずっと変わらない。」
「それでも北斗は聞きたいんでしょ。傷つく覚悟はあるんだよね」
お願い、ここで引き下がってよ。
俺の為にも、ここで引き下がってよ。
hk「覚悟は、できてるから。誤魔化さないで教えて。」
「ほんとに、あの時の俺がなんで即座に北斗のことを選んだのかは分からないの。」
「それで、その後髙地のせいでデビューできなかったって、大嫌いって言う言葉を聞いて、もう北斗の隣には居られないって思った。」
「でも、別れようって言う勇気がなかったから。俺たちの関係は、自然消滅した。ただそれだけ。」
「今でも、夢に出てくるんだ。あの時のこと。それで北斗が俺の前からいなくなるの。」
hk「夢、、、」
「うん、毎年あの頃が近づくと毎日夢になる。」
「毎日泣きながら起きるんだ」
hk「もしかして、毎年寝れなくなるとか言ってるのって」
「うん、それ」
hk「ごめんね、そんなに俺が髙地のこと苦しめてるなんて知らなかった。」
hk「こんな奴が言うなんて、って思うかもしれないけど聞いてほしいことがあるんだ。」
「聞いてほしいこと?」
hk「お、俺やっぱり今でも髙地のこと好き」
hk「あんなことしたから、信じられないのはわかってる。でも、俺、髙地のこと諦めたくないから。」
「俺、本気にしちゃうよ。いいの?」
hk「むしろ、本気にしてよ」
hk「今まで傷つけた分、髙地のこと幸せにするから。だから、俺と付き合ってください。」
「俺、またあんな思いしたくないの。だから、今度は俺も北斗のことを幸せにする。」
hk「じゃあ、」
「うん。お願いします。」
俺、また北斗の隣にいられるんだ。
もう夢を見ることはないのかな。
スズラン 再び幸せが訪れる
いかがだったでしょうか。hkygだと、なんか悲しい系になってしまうのなんでだろう。今度は、甘々なのも書きたいな。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!