昨日の神楽ちゃんと新八君とのデートは楽しかったな.
店の一番奥の席で厚手の上着を脱ぎ、
注文したブラックコーヒーを一口啜る.
テーブルの端迄隙間無く並べられたメインメニューに
齧り付くと、余りの美味しさに手が止まる.
初めて来るお店だけど、此れはリピート確定だなぁ.
他の席も空いていると言うのに、
迷う事無く真っ直ぐ此方へ向かい
私の正面に座る、編笠を被った男性.
女物を思わせる蝶の模様が施された着物が
薩摩芋色で美味しそう((
編笠を隣に置き煙管を吹かす彼は
食べ続ける私を観て静かに笑う.
合掌の後、紙ナプキンで口元を拭く.
高杉さんも、私がこう動く事を計算した上で
危険を冒し乍らも店に入って来たのだろう.
詰り、高杉さんにとって
此のお店の客は私に対する人質.
私が行かなければ客が危ない、と行動で示している.
遠回しだなぁ、口で言えよ((
で、今は……
船の外で河上さんとデュオ組んでる.
また子ちゃんは録音と録画してる.
『ちょめちょめぇぇぇ!!』最近は掛けて来る事が多いな.
沖田さんの妙に焦った大きな声に、彼の名を呼ぶ.
私の後ろ髪に指を通し撫でる高杉さんと目が合う.
ぢゅぅ、首に痛みが走る.
キスマ付けたな、?!
いっっった!!
また噛みやがった!!
そしてまた子ちゃん達は船に入るな、助けてぇぇぇ…
私の手からするりと携帯を抜き取り、
耳に近付ける高杉さんを見上げる.
電話を切った高杉さんは
再び掛かって来る電話を着拒する.
喉!!
喉を噛むな!!
『ちょめちょめぇぇぇ!!』え、何、顔怖い.
⬆︎空気を壊された拗ね杉君眉根を寄せる高杉さんの手の携帯を掴み
直ぐに通話を開始する.
⬆︎そんなえげつない下ネタ言ってないのに記憶を改竄された総督また勝手に電話切りやがった此の野郎.
______真選組屯所______
危うく屯所が蛻の殻になる処であった.
静かに重なった唇が、ゆっくりと離れて行く.
……キスされた……
声低杉君なんだけど…怖杉君だよ.
真選組の女中として落ち着く迄は
スナックすまいるで働かせていただいていたから、
お客様とは平気でキスもしていた.
妙ちゃんに殴られてるお客様もいらっしゃったけど.
ぐ、と距離を詰めた高杉さんに
両頬を掴まれ、口付けられる.
無理矢理舌を入れられ、絡められる.
ぐちゅ、ぴちゃ…と水音が響き、呼吸が出来ない.
小さく跳ねた肩を観た高杉さんは
面白そうに目を細めると、
最後に軽くキスを落として離れた.
呼吸を整える私の口元の唾液を指で拭うと
ぺろ、と舐め取った高杉さん.
ディープキス、と言うものは知ってはいたけど…
此れは…逃げないと危ない.













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!