第5話

第5話
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2024/02/28 10:56
お客さん
カシオレ1つ〜
あなた
あ、はい!


あなた
どうぞ〜!
お客さん
ありがとうございます〜
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
おっ、あなたの下の名前ちゃん頑張ってるね〜!
あなた
あ、はい!
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
…やっぱり、リョウのおかげ?
あなた
…お恥ずかしながら…
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
いいじゃんいいじゃん♪
ニコニコ笑顔でこちらを見てくる伊地知さん
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
そーだな、あなたの下の名前ちゃんが、もっと頑張れるように1ついいこと教えてあげるね
あなた
いいこと?
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
あのね、一時期、私達ものすごい人気が無くてね
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
もう、解散した方がいいかなって時期にね
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
リョウが、「いつも応援してくれるファンの子がいるから、こんなところで辞めたら、きっと悲しい思いをしちゃう」って、言ってくれたんだ
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
そのファンってさ
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
あなたの下の名前ちゃんのことなんだよ?
あなた
…私の?
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
そうそう!リョウは普段、あんなこと滅多に言わないからね、びっくりしちゃったよ
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
でもね、リョウ、前からあなたの下の名前ちゃんの話よくしててね
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
今日は、いつもより楽しそうに聞いてたとか、ちょっと泣いてたんじゃないかとか、またグッツ買ってたとか
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
ものすごい、楽しそうに話してくれるんだ
あなた
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
きっと、リョウは、あなたの下の名前ちゃんのこと本当に好きなんだと思うよ?
あなた
…こんな私をですか?






『お前なんて生まれて来なければ良かった』







『早く死んでくれればいいのに』
あなた
『…生まれてきてごめんなさい』
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
…あなたの下の名前ちゃん…?
あなた
…きっと、リョウさん…そんなこと思ってないと思いますよ
あなた
だって、こんな出来損ないの私なんか…
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
あのね、リョウってさ
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
ツンデレって言うのかな〜…いや、ただのヘタレなんだけど
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
まぁ、リョウってね、素直な気持ち伝えるの苦手だからさ
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
自慢じゃないけど、私とリョウって結構長年の仲だからさ、そう言うの分かっちゃうんだよね
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
きっと、素直に気持ち伝えたら、きっとリョウの本心聞けるはずだからさ
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
だからさ、そんな卑屈にならないでよ
あなた
…!


山田リョウ
山田リョウ



ちらっと、伊地知さんの視線が、リョウさんに向く
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
よし
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
あなたの下の名前ちゃん、頑張ったんだから、とりあえず、休憩していいよ!お姉ちゃんになんか言われたら、私呼んで〜すぐ来るから
パシッと、背中を軽く叩かれる
伊地知 虹夏
伊地知 虹夏
頑張ってね!
伊地知さん…いい人…!
目を瞑って、立っているリョウさんの肩をぽんと叩く
あなた
あ、あの、リョウさん今いいですか…?
山田リョウ
山田リョウ
…スヤァ
…ね、寝てる…!?
ど、どうしよう…起こすのもあれだし…
そ、それに、気持ちを伝えるって…何を言えば…
ていうか、リョウさんやっぱり…美人すぎる…
まつげ長いし、鼻高いし…髪サラッサラだし…
全てが美しすぎる…!
寝ているという事実と、大好きなリョウさんが目の前にいる
…ちょ、ちょっとぐらい…い、イタズラしても…
山田リョウ
山田リョウ
…ん
山田リョウ
山田リョウ
…あ、あなたの下の名前じゃん、サボり?
あなた
わ…あっ…
山田リョウ
山田リョウ
あ、危ない危うく、襲いかけた…
あなた
す、すいません…
山田リョウ
山田リョウ
え?何が?
あなた
え、えと、伊地知さんから…休憩頂いたので…
山田リョウ
山田リョウ
そうなんだ、私も今ちょうど休憩してたところ
あなた
あ、そ…そうなんですね…
山田リョウ
山田リョウ
あなた
ど、どうしよう…この場の空気感で、あんまり下手なこと言えないし…
で、でも、伊地知さんがせっかくくれたチャンスだし…
山田リョウ
山田リョウ
あ、いいこと思いついた
山田リョウ
山田リョウ
ペットは、芸の一個ぐらいできなきゃだし
山田リョウ
山田リョウ
あなたの下の名前、一緒に練習スタジオで、ベース弾こう、私の貸すから
あなた
…え、いやいやいや…そ、そんな恐れ多い…!
山田リョウ
山田リョウ
あなたの下の名前、飼い主の言うことは聞くもんだよ
あなた
…は、はい
山田リョウ
山田リョウ
いい子
軽く頭を撫でられる
山田リョウ
山田リョウ
ほら、行くよ
あなた
え、あっ…はい!

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