第3話

2話
124
2026/03/18 03:01 更新










あの事件から約1週間後
少しずつ日常を取り戻しつつあった今日この頃
火災に巻き込まれた人々は病院に搬送され、適切な処置をされ入院していた
その数、139人
幸いな事に死者は0人
怪我人はいるが、1人も死ななかったのは奇跡と言っても過言ではない
そんな中、個室で寝ている赤髪の男性が目を覚ます
ん…?
……
なんだ、病院か
状況把握がとても早い男性
普通なら取り乱しそうだがこの男性はそうじゃないらしい
すると偶然来ていた病院の先生が話しかける
医者
あ、驚いたりしないんですね
…先生
医者
冷静というかなんというか…
…僕、あの後気絶したと思うんですけど
原因ってなんですか?
医者
神経反射性失神じゃないですか?
その言い方だと適当に聞こえますね
医者
事実を述べただけです
先生も先生である意味凄い人である
何故この人は医者になれたのだろう、不思議だ
医者
あ、それと
医者
管理局の方が貴方に直接会ってお話したいそうです
管理局が?
医者
はい、管理局がです
医者
とりあえず今から検査して問題なければ管理局の方に連絡を入れましょう
分かりました





無事に男性の検査が終わった
結果は体に異常はないと出た
検査が終わり管理局に連絡を入れようと思ったがもう夜
赤髪の男性が起きた時間が昼という事も影響しているのだろうが、検査をするだけなのにここまで時間がかかるのは病院の不思議だ
仕方ないというのは勿論理解している
一応、ダメ元で管理局に連絡を入れると明日のお昼時に来ると返事が来た
その返事を聞いた男性は速やかにベッドに潜り込む
検査に疲れたというのもあるだろうが時間帯が夜だったのでとても眠かったからだ










翌日
男性が目を覚ますと様子を見に来たであろう先生と目が合った
医者
あ、おはようございます
…おはようございます
医者
様子を見に来たのですが大丈夫そうですね
そうですね、違和感などはありません
医者
なら良かったです
医者
あ、管理局の方は2時頃に来るそうです
お昼時と聞いてましたが少し遅いですね
医者
なんかあったらしいですよ?
…そうですか
それから先生と少し雑談をしたあと、他にやる事が残っていたらしく「ではまた来ますね」と言い残し部屋から出ていった
暫く色々している内にあっという間に2時前
そろそろ時間だがまだ来る気配がないので窓の外をぼんやりと眺めていた
あんな事件があったというのに病室から見える外の景色は晴天
なんならスズメが木の枝に止まって鳴いているくらいだ
平和すぎてあの事件が本当にあったのか疑いたくなるほどに
そんな事を考えていたら病室のドアからノック音が聞こえた
次に「失礼します」という声と共にドアが開かれた
1番最初に見えたのは桃色髪の管理局の制服を着た男性、次に見えたのはほぼ紫髪の管理局の制服を着た男性だった
とても失礼だがほぼ紫髪の男性は目つきが悪かった
我々の世界で例えるとヤが付く人達のようだ
普通に怖い、マジで申し訳ないが怖い
取りあえず座ってもらおうと思い、赤髪の男性が近くの椅子に座るよう促す
桃色髪の男性は「ありがとうございます!」と言いながら座るが紫髪(略)の男性は座らなかった
もしかしたら、なにか事情があるのかもしれないのでそれ以上は何も言わない
桃色髪の男性の準備が終わったらしく咳払いをして話し始める
ないこ
始めまして、管理局実動部隊VOISINGに所属しているないこと申します!
ないこ
花崎はなざきこえ様に先日の事件についてお伺いに来ました!
そう言いながら元気に、そして満面の笑みで言ってきた
赤髪の男性…もといこえは想像していた態度とかなり違った事にだいぶ驚いた
理由は簡単、昔会った管理局の人は圧をかけるわ態度は最悪で見るからにヤバい人だったからだ
花崎はなざき こえ
…はい
だが目の前にいる人はその人と全然違う
比べるのはあまりよくないが、昔会った人と今目の前にいる人は何もかもが真逆なのだ
もう驚きすぎて「はい」としか言えない
ないこ
あれ、大丈夫ですか?検査では問題ないとお聞きしましたが…
花崎はなざき こえ
お気になさらず…話の続きをどうぞ
その様子をないこと共に入って来た紫髪(略)の男性は、こえの驚きようを見て不思議そうに見ていた
 
ような気がする
表情筋が殆ど動いていないので確証はないが










それから約1時間
ないこが質問をし、それにこえが答えるというのが続いた
花崎はなざき こえ
…というのが一連の流れです
ないこ
なるほどなるほど…
こえがないこに話した内容を細かく説明すると
親戚が約1ヶ月の海外旅行から帰ってくるからお迎え兼荷物持ちで空港にいた

待っていると突然爆発音が聞こえて炎が立ち上るのが見えた

避難しようと動くも人に揉まれたりシャッターが閉まったりで逃げ遅れた

周りが炎の海となる

逃げ場ないし遠くから逃げ遅れた人の声が聞こえた

デバイスを発動させて魔法を使いながら逃げ遅れた人達を自分が張った結界の中に入れて守った

管理局が救助に来た

神経反射性失神かなにかで倒れた

起きたら事件から1週間経ってた

ないこ
にしても凄いですね…訓練を積んだ魔導師でもないのに現場で動けるなんて!
花崎はなざき こえ
僕の両親が魔導師でよく遊びと称して訓練していたと聞いたので多分それだと思います
ないこ
聞いた?
花崎はなざき こえ
はい、僕は
こえが何かを言いかけたその時、病室のドアが思いっきり開いた
それはもう凄い音を立てて
その場にいる3人が驚き、ドアの方を見た
そこにいたのは小柄な女性
だが息がとても荒い
急いでここに来た事が見て分かる
その女性はこえを見ると瞳に涙を溜めながら勢いよくこえに突進した
そしてそのまま抱きつき泣き出してしまった
因みに勢いよく突進されたこえはとても苦しそうなうめき声を上げていた
可哀想に
こ"え"く"ん"が"お"き"て"る"よ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"!!!
よ"が"っ"だ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!
取りあえず声がやばいという事だけ言っておこう
花崎はなざき こえ
落ち着いてれいさん!!人前!!!
れい
で"も"ぉ"…
花崎はなざき こえ
でもじゃないッッッッ!!!!!!
れい
はいッッッッ!!!!!!
言われた事を素直に聞き、そして元気に返事をしながらこえから離れる
こえから離れたから分かる、澪の瞳からは涙がぼろぼろと溢れ落ちている事に
その顔を見たこえはなにも言わず机の上に置いてあったティッシュを差し出す
れい
ありがとぉ…
そう言いながら差し出されたティッシュを受け取る
傍から見れば兄妹である
ないこ
えっ…と?
そして気まずそうに声を上げるないこ
花崎はなざき こえ
あ、この人が話に出てた親戚です
れい
三華みはな澪と申します!先ほどはお見苦しい所をお見せしてすみませんでした!!
そう言いながら綺麗な90度のお辞儀で謝罪して来た
とても失礼だが、こえに突進した人と同一人物とは思えない
ないこ
いえいえお気になさらず!
ないこ
心配する気持ちは俺もよく分かりますので!
おそらく職場が職場なので澪の気持ちがよく分かるようで凄い共感しているないこ
ないこ
それと…花崎様のご家族様はいつ頃来られますか?
ないこ
少しお話したい事があるのですが…
れい
えっ…と…
こえの両親の話になった途端少し気まずそうに、そして戸惑っているような声を発する
まるで言っても良いのか迷ってる様子だ
そんな澪の様子を察したこえは躊躇する事なく言う
花崎はなざき こえ
僕の家族は数年前に死にました
れい
…スゥーーッ
澪は「言っちゃったよこの子」みたいな感じで息を吸う
対してこえはなにも気にしてない様子
そしてないこは「やばい、失言だったかも、 え、やばい、どうしよ」といった感じで内心焦っている
ついでに言うと紫髪(略)の男性も驚いているような気がする




…どうすんだよこの空気










【デバイス】
自身の持つ魔力の発動を手助けする処理装置
【防護服】
衝撃・温度変化に耐える為の物
こえくんが炎の中動き回れたり、煙を吸った時の症状が出なかったのも防護服のおかげ
【魔通信】
遠くの人と話せるやつ
簡単に言うと電話
音声通信、ビデオ通信、無口頭通信が可能
作中で魔通信してる時は〝〟これを使う
ちょいちょい伏線らしき物を頑張って張ってるんだけど今後回収出来るか怪しくなって来た今日この頃
因みにここのこえくんは基本的に虚無顔
そんで今回登場したオリキャラの三華澪ね、ただのモブじゃないんよね
重要なモブって事を頭の片隅に入れといてもらえると助かる

プリ小説オーディオドラマ