ある夕方、
ふとかかってきた電話に出たお母さんは
今にも消え入りそうなほど意気消沈していて、
青ざめた顔のまま、受話器まで落としてしまった。
ようやく分かった、
容姿の抜群さを生かしてオシャレしても
自分磨きしても周りの目は変わらなかった
そう言うたびに人が離れていくのは.....
わたしが
あのカリスマ兄弟の
妹だからだ
あなたはそう、誰もいない寝室に向かって
つぶやいてみせた。
わたしは一度聞いたことがある。
あなたの可愛らしい問いかけにも関わらず、
蘭がかったるそうに舌打ちする
蘭があなたの前ではじめて微笑みを見せたのは
たぶんこのときだ、。
......
....?..!!...!!
突然大声で名前を呼ばれて目をやると
何やらものすごく意気込んだ様子の母さんがいた
その日から、わたしは
灰谷あなたから、柏木あなたになった。
もう誰も泣かないように、悲しませないように
非の打ち所がない"優等生"として
"柏木あなた"として生きていくことにしたんだ
表はね?
闇色の空、ビルなどのライトで賑やかになるころ
六本木ら辺を徘徊する小柄な女がいた。
その女は
彼女は決まって、そう微笑んだそうな。
そんな少女も家では、
猫を被っているようで
偶然、仕事帰りの母と玄関で出くわした。
笑顔のまま平気で嘘つくわたし、
それに対して何の感情も湧かないわたしは
どこか狂ってるのかもしれない











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!