ーあなたsideー
次の日の仕事は事務所だったので
お兄ちゃんと一緒に向かった。
お兄ちゃんは、静かに
でも、気を遣いながら歩いてくれた。
別れ際には
と、一言言って仕事に向かった。
ガチャ
楽屋に入るとみんなはいつも通り接してくれた。
男の人は少し怖いけど、
この変わらない感じが私のことを安心させてくれた。
みんな揃ってると思っていたけれど、
優太だけはまだ来ていなかった。
ーガチャー
急に扉が開いて少しびっくりしていると、
優太が入ってきた。
みんなには適当に挨拶したのに、怯えている私を見て
目を合わせて優しい声で挨拶してくれた。
言葉には出さないけど、心配してくれているようで
すごく嬉しかった。
私が返すと、満足そうな顔でみんなのところに行った。
1時間後にはメイクが終わって本番に入った。
今日は撮影だけで終わりだから、巻けるかと思っていた。
でも実際は、私が恐怖心を拭えていないせいで
顔が引きつったり、ポーズが上手く決まらなくて
何度も休憩を挟ませてしまった。
スタッフさんもメンバーも事情を知っていたから、
「気にしないで!」
と、声をかけてくれたけど
正直、自分のせいで押してると考えると
申し訳なさでいっぱいだった。
ようやく、写真撮影がおわった。
私は、全力でスタッフさんとメンバーに謝った。
申し訳なさを拭いきれないまま、お世話になった
スタッフの皆さんに深々と礼をしてスタジオを出た。
楽屋までの廊下では、みんな気を遣ってか
楽しそうに話していた。
そんなさり気ない優しさが今の弱っている私には
ちょうどよかった。
優太だけは5人の中には入らず、
黙って私の歩幅に合わせてゆっくり隣を歩いてくれた。
ー楽屋ー
私は、スタッフさんにしたようにまた深々と礼をした。
少し黙ったあと、みんなで笑ってくれた。
みんなの言葉が嬉しくて泣いてしまった私を
またみんなが「泣くなよ~」なんて言って
笑ってくれた。
心の底から
いいグループとメンバーに出会えたなと思った。






















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。