sideあなた
うん、ちょっと待って?
なんで今大人気のアイドルがフツーにコンビニにいるの?
さっき以上に口角をあげ、ニヤけてる彼
真っ白で綺麗な手が私のおでこに乗る
そのままポンポンと優しく撫でてきた
何が?とでも言いたそうな顔で首をかしげる渡辺さん
いやいやいや、あなたアイドルですよね!
そんな簡単に名前も知らない女の頭撫でちゃダメでしょ!
一歩後ろに下がると、そのまま空中に取り残された彼の手
うん、直してくれたのは感謝するけど!
でもさ!そんな面と向かって言わないでよ!
私も一応女子ですよ?
アイドルにそんなこと言われたら恥ずかしいでしょ!
気まずい空気を壊すように、言葉を発してくれたお兄さん
ん?てかさ、このグミイケメンが渡辺さんってことは
こっちのイケメンもSnowManってこと?
ちょっと首を傾けて、ニコッと笑った阿部さん
あざとぉ、、、!
で、こちらもSnowManですか、、、
こんなフツーに居るんだね 有名人って
は、、、? 子供ですか、、、?
この人なんなの、、、!? 5歳児なんですか?
と言っても、もう会うことないと思うけどなぁ
満足気に笑った、、、
『翔太』は何かを思い出したように
口を私の耳に近づけてきた
お店を出る寸前振り返って、私の方を見ると
フワッと微笑んだ翔太
そのまま阿部さんと一緒に夜の街に出ていった
2人の姿が見えなくなると
私は力が抜けたように膝から崩れ落ちた
キラキラした笑顔が脳裏によみがえる
SnowManなんて、全く興味がなかったはずだった
なのに頭に乗せられた手、フワッとした微笑み、、、
少しだけ鼓動が早まった
『また来週この時間に来るから、、、絶対居ろよ?』
耳元で囁かれたその言葉に、少しだけ期待してしまう
でも、私、、、翔太に名前教えたっけ?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!