それから数ヶ月、
私は毎晩鬼殺隊を襲って食うという
生活を繰り返していた。
私はただ復讐したいだけ
関係ない人間を殺せるほど
メンタルは鬼になっていない
そう言うと、少し驚いた顔で
『 堕姫は珍しいな ... 』
と言われた。
そんな話をしていると、
また脳に喋りかけられた。
『 あんたの好きな鬼狩りが遊郭に来てるわよ 』
という報告だった。
遊郭 ....... 聞いたことあるような
それだけ言って、私は花びらに乗って
遊郭へと向かった。
にしてもほんと使い勝手がいい血鬼術だ
返事が来る訳では無いのに
何かと話しかけてしまう
遊郭に着いた ......... が、
....... 周りは瓦礫まみれ
多分戦ったあとだろう。
....... あ、
... あの顔、どこかで見たことあるような .......
一瞬で戦闘態勢に入ったが
恐らく疲労が溜まっているようで
焦点が合っていない。
夜だし騙せるだろ ...
確かに、一般人がこんな所にいたら
不思議に思うか ...
そんなことを考えていると
少し申し訳なさそうな顔をされた。
やっぱり、どこか見覚えがある ...
なぜかこのまま一緒にいては
いけない気がして、去ろうとしたが
呼び止められてしまった
そう言われた時に、
頭がズキズキしながら
"こいつ"がボロボロになっているところが
頭の中を駆け巡った。
....... なんなの、この記憶
私のじゃない、私なわけが無い
こんなに親切な人が居たはずない
それだけ言って、私は走り出した。
これ以上何も思い出したくなかった
今持っておくべき記憶は
嫌いな奴と嫌いになった訳。
いい思い出なんていらない、邪魔
....... 思い出しちゃった、
唯一私を認めてくれた子
素直に強いって言ってくれた子
感謝を伝えてくれた子
なんで人間の頃に忘れちゃってたんだろう ...
こんな大切すぎる記憶
鬼の進行が進んでるからか
全然思い出せないや
一人でも認めてくれた子が居たのに
それ以上を求めて、その子を忘れて
やけになって鬼になって ...
結局私は何がしたかったんだろう













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。