……数日後。
いつもみたいに、パソコンに向かってお仕事中。留三郎が変なことを言ってきた。
うるさいな。おれはいつも通りだってば。ちょっと幸せなことが続いてるから、浮かれてるだけなの。
お仕事が終わった後、おれが行くのはいつものお店。繁華街のビルの三階、「狐のマッサージ屋さん」。そこへ行けば、あの人に会える。
そうだ、この人だ。変な服の綺麗なお姉さん。この人にお金を払えば、たくさん気持ちよくしてもらえる。
この人、優しいから好き。ぼくに狐さんの尻尾と耳をくれて、それで一杯よしよししてくれる♡ ぼくのこと女の子にして、一杯おまんこしてくれるのっ♡
優しいお姉さん、だーいすきっ♡
ぼくのことをジロジロ見るばかりで、全然触ってくれない。はやく、気持ちいいマッサージして欲しいよ。
松コースは5000円だっけ。お金はあるけど、内容が気になるなぁ。
ぼくはいつもの様にすっぽんぽんになり、マッサージ台に寝そべった。もう何度も女の子になったので、変化の術はスムーズだ。特に時間をかけることなく、可愛い狐娘に変身させてもらえる。
そうして変身したぼくのお腹を、お姉さんの指でトントンと押された。男の子には備わっていないはずの、女の子の象徴。そこをお腹の上から刺激されて、思わず声が漏れてしまう。
ここが、僕の子宮なんだ……♡
そんな。人間はおろか生物としての尊厳を奪うような、そんなひどいことをされてしまうなんて。
ああ。
もう我慢できない。はやくこの人に堕ちて、気持ちよくなりたいっ♡
そしてぼくのお腹に両手が添えられたかと思うと、その箇所が鈍く光り出した。
同時に、ぼくの子宮がずくずくと熱を帯びるのを感じる 。お姉さんの手で胎を直接愛撫されているかのような、優しい刺激。そのポカポカした感じがとっても幸せだった。
お腹に模様が刻まれる度に、ぼくの中で主さまへの忠誠心が芽生えていく。この人に愛されたい、ご奉仕したい、一緒にいたいって気持ちが溢れ出てきちゃうよ。
主様の御手が離れた時、ぼくの下腹部にはハートを形どったピンクの紋様が刻まれていた。ほのかに発光するそれは、とってもえっちな雰囲気だ。
そして同時に、本能で理解したんだ。ぼくの身体が、限りなく主様に近くなったってこと。ぼくの身体はもうぼく自身のモノじゃなくて、主様のモノなんだってこと。この人が、ぼくの絶対的なご主人様だってことっ♡
……こうしてぼくの 人生は幕を閉じ、あるじさまの下僕としての生活が始まった。あるじさまの撫で撫では気持ちよすぎて、いつか言葉も分からなくなって本物の狐に堕ちちゃうかもしれないけど。
でも、あるじさまに優しくしてもらえるんだから、それもいいかな。なんて思ってしまったり。
今日もぼくは、あるじさまのマッサージでイキ狂うのだった。
とある繁華街にて。行方不明になった伊作を探すべく、ある男が走り回っていた。
留三郎は勇ましく、そのマッサージ屋があるビルへと入っていく。
店に入った留三郎を出迎えたのは、奇妙な二人組。巫女服を着用した、妙齢の女性と小学生ほどの少女だった。側から見れば姉妹と思しきその二人は、妖しい雰囲気をかもし出していた。
二人のうち幼い方は、男のことを知っているようだった。しかし男の方には、この少女に関する知見が無い。
伊作を探しに来た、と言うことができない。少女は矢継ぎ早にマッサージをするよう誘ってくる。結局、少女の言うことに流されるまま、留三郎はマッサージを受けることになる。
ここは、狐のマッサージ屋さん。妖の住まう、極めて危険な場所。
今日も、一匹の狐が生まれる……。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!