朝起きてから、何やら騒がしかった。
だから何事かとカナダに聞くと、
無言でニュースペーパーを渡された。
…どうやら、
ナチスさんがポーランドに侵攻を始めたらしい。
やっぱり、避けられなかったんだ。
私は国だから崩壊しない限りは死なない。
だけど、瓦礫に埋れたりなんかしたら生き地獄だ。
フランスは地理的に重要地点。
だから主様は軍を送る…はず。
最悪、アメリカさんとかも来てくれる…よね!
あぁ、あの日本酒の国だよね!
私に会いたい人…見当がつかない。
主様の呼び出しなら、こんな言い回しはされないよね?
なんと玄関付近に待ち構えているのは、
ルノアールだった。
声、話し方、立ち振る舞い、距離感…
全てが忌々しくてたまらなかった。
いきなり突撃してきて何を言い出すかと思いきや、
植民地になれだと?
大切な国民を、なんなら元同じ国の仲間を…
コイツは今は人質としか見ていないのか?
私は怒りに任せて、掴みかかり、少しばかり浮かせた。
綺麗に整ったブリティッシュガーデンに、
私の怒声が響き渡る。
ヘラヘラ笑ってやがる。
素直にルノアールを離した。
雑に離したせいで、ルノアールは尻もちをついている。
今まで聴いたことない声色だった。
ドス黒く、怒気を帯びていた。
ルノアールは、己の足で走ってさっさとこの場から
退散していった。
何より、本性を一部見られたのが恥ずかしい。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!