第8話

第2章 第2話 静かな違和感
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2026/04/08 10:13 更新
国は今日も、平和だった

朝の光が街を包み、市場には活気が戻っている

果物を並べる店主
笑いながら走る子どもたち
配達人の掛け声

そのすべてが、「日常」だった

かつてモンスターが暴れていた痕跡は、
少しずつ修復されている

殲滅部隊は、安心の象徴になっていた
らっだぁ運営部隊は、
通常巡回を終え、基地へ戻る途中だった

空は澄んでいる

金豚きょーは上空を飛行している
黒翼は静かに広がり、風を受けて揺れている
闇と光の羽
その姿は美しく、力強い
金豚きょー
異常なし

通信越しに冷静な報告
声は安定している
呼吸も乱れていない
らっだぁが笑う
らっだぁ
よし、今日も平和認定!

みどりも安心したようにうなずく
レウクラウドは記録を更新
コンタミは水流を確認


問題はない
基地へ戻る
会議室で報告
らっだぁが地図を広げる
らっだぁ
最近、モンスター出現率かなり低いぞ
コンタミ
このまま維持できれば理想的だね
レウクラウド
回復資源も余裕があるよ

チーム全体は安定
ストレス値も低水準

だが――

金豚きょーは窓の外を見ていた


静寂

以前は常に警報が鳴っていた
戦闘音があった
緊張があった
今は何もない
それは喜ばしい
だが心の奥が、わずかに静かすぎる
森の外縁部へ
小規模確認任務
危険なし
鳥の声だけ

みどりが姿を消し、周囲を調査
コンタミは水脈確認
レウクラウドは精神状態を軽くチェック
らっだぁは木の上でふざける
らっだぁ
平和すぎて逆に怖いわ!

笑い
金豚きょーは短く言う
金豚きょー
油断するなよ

だがその声は落ち着いている
完全に安定している
任務は順調
何も起きない
それが逆に異様なほど
風が吹く
木が揺れる

金豚きょーは一瞬、足を止める
胸の奥
ほんのわずかな圧迫感
戦闘時の緊張ではない
恐怖でもない
説明できない感覚
だが、すぐに消える

みどりが近づく
みどり
大丈夫?
金豚きょー
問題ない

即答
彼は冷静だ
状況把握は完璧
ストレスも危険域ではない
帰り道
らっだぁが冗談を言う
らっだぁ
このまま平和続いたら、俺ら失業じゃね?

コンタミが笑う
コンタミ
それは良い未来だけどね
金豚きょー
仕事がなくなるわけないだろ

いつものやり取り
正常
チームは健全
しかしその夜
基地は静まり返っていた
他のメンバーは休息中

金豚きょーは一人で訓練場へ
黒翼展開
闇の刃を作る
空を切る
動きは完璧
速度も精度も落ちていない
彼は自分の力を確認する
金豚きょー
問題ない

声に出す
だが、
ほんの少しだけ、刃の出力を強める
理由はない
ただ、確認したくなった
静かな訓練場
自分の呼吸だけが響く
ふと、思考がよぎる

――俺は、ちゃんと役目を果たせているか?

即座に否定
今の任務は順調
ストレスも正常範囲
仲間もいる
問題はない
彼は冷静だ
感情の暴走もない

しかし、
「静かすぎる世界」に身体が少し慣れない
戦場の緊張に適応していた神経が、今は使われていない
それは退化ではない
だが――
変化ではある
訓練を終え、翼をしまう
夜空を見上げる
星がきれいだ

昔なら、この空は戦闘の合間にしか見られなかった
今は毎日見られる
それは幸せだ
そう思う

だが同時に、心の奥に小さな影
言葉にならない違和感
それはまだ、ストレス値にはほぼ影響しない
ほんのわずか
ほんの微細
ストレス値

らっだぁ:30
みどり:29
金豚きょー:39
レウクラウド:40
コンタミ:36

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