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私の親友は強い。
思ったことは堂々と相手に言えるし、一度決めたことは即実行する。
どんなに怖そうで強そうな人にも真正面から向かっていって。
自分だけできないことがあっても恥ずかしがらず堂々と練習して、最終的に最高の結果を出す。
弱点なんてまるで思いつかない、私の親友。
でも、私は知っている。
私の親友はすごく弱い。
自分の考えを誰かに言う時、否定されたらどうしようって本当は怖くてたまらない。
何かを実行しようとする時、もし失敗したらって考えて頭の中でずっと迷ってる。
図体がデカくて明らかに強そうな人を前にした時、怖くてずっと足が震えてる。
周りはできてるのに自分だけできない時、悔しくてたまらないし、馬鹿にされるんじゃないかっていつも怯えてる。
本当は弱い、私の親友。
それでも強く見えるのは、彼女が強がりだから。
否定されたらどうしようってウジウジしてても、結局自分の意志をガン無視されるなんて絶対イヤだから、意地でも意見を通そうとする。
失敗しないかって迷ってても、周りから不安そうな目で見られて大丈夫?と自分の実力を心配されるのが癪だから、見栄を張って率先して計画を遂行させる。
強そうな人を前にしても、できるだけ痛い思いをしたくないから、蛇が天敵から身を守るため威嚇するように自分を強く見せようとする。
馬鹿にされながら怯えるのなんて、そんなのかっこ悪過ぎるし何より自分だけできないのが悔し過ぎるから、さも気にしていないかのように何度も練習して絶対にできるようになる。
私の親友は強いようで実は弱い。
でもだからこそ、彼女は強いのだと思う。
私の親友は弱い。
自分の考えをちゃんと言えないし、何かしたいと思っても失敗するのが怖くて何もできない。
お化けとか幽霊とかを見るだけでビビって猫みたいに跳ね上がる。
周りと違う部分を指摘されたり馬鹿にされるとすぐ涙目になってしまう。
強くなんて全く見えない、私の親友。
でも、私は知っている。
私の親友はすごく強い。
他の人から意見が出た時、すごく冷静に客観的な視点で意見の品定めを頭の中でしている。
怖くて何もできなかった時、どうしても実現させたくて心の中で確固なる意志をつくりだす。
怖いものを見た時、どうやったら自分の身を守れるか考え何があってもすぐ対応できるよう注意力が上がる。
馬鹿にされた時、悔しくて辛くて心の奥底で静かに、けど青白い光を放つ炎のように激しく怒る。
本当は強い、私の親友。
それでも弱く見えるのは、彼女が臆病だから。
品定めを終えても、その意見の発案した人なりの思いを否定すると怒りそうな気がして、できるだけ肯定しようとする。
強固な意志を持っていても、それを実行するに当たって嫌な思いをする人がいたら嫌われそうだから、みんなの計画を聞いて合わせようとする。
注意力が上がっても、相手を傷つけると自分も傷つきそうだから、決して攻撃とか反撃なんかはしない。
静かに激しく怒っても、それを表に出して笑われたら更に辛くなるだけだから、そっと心の中にしまっておく。
私の親友は弱いようで実は強い。
でもだからこそ、彼女は弱いのだと思う。
私は、そんな彼女のようになりたい。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。