第2話

傘の中
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2023/01/25 03:06 更新
謎の男
謎の男
だめですよ
腰のあたりをふわっと掴まれて、踊るような身のこなしで、あっという間に傘の中に引き込まれ、気がつけば肩を抱かれていた。
(なまえ)
あなた
ち、ちょっと待って、、大丈夫だから
謎の男
謎の男
暴れないで、濡れちゃうから
謎の男
謎の男
送るって決めたから、ちゃんと傘に入って下さい
耳元で、ゆっくりとした低い声で囁かれ、力が抜けてしまった。
謎の男
謎の男
ね、、送りますから
送るだけだ。そう送るだけ。
私は言葉もなく、子供のように、こくん、とうなずいた。

身体中の神経が集まってしまったかのように、抱かれた肩がドクンドクンと脈打っている。

あれほど気になっていた靴底の事もどうでもよくなっていた。なぜだろう足元がふわふわする。まるで魔法がかかったようだ。

2人とも無言で歩いて行く。

まさか3分前に出会ったようにはみえないだろう。あまりに大胆なことをしている自分がおかしくなってしまった。
(なまえ)
あなた
ふふふっ
謎の男
謎の男
おかしいですか?
(なまえ)
あなた
おかしいわよ。
会ったばかりの黒ずくめの知らない男と肩を抱かれて相合い傘だもん。
この行動、女の扱いに慣れているとしか思えない。
謎の男
謎の男
え?雨の音でよく聞こえないです
あの角を曲がればすぐにマンションのエントランスに着く。
普段なら、こんなこと絶対にしないのに、だからなのか、このままもっとこうしていたい、なんて思ってしまった。
どうかしている。
(なまえ)
あなた
もう、着くから、、
少し大きめの声で、できるだけキッパリと言った。
ここまで、ちょっと楽しませてくれた謎の若い男。私の心に入ってくるのはここまで。
これで、終わり。
(なまえ)
あなた
ありがとう、ここでいいわ
エントランスに着いて、腕を外して離れる。

ふと男の方をみると、背中から肩にかけて水が滴っている。
考えたら、180センチ近い身長だ、大人が2人傘に入って充分なわけがない。彼はずっと、濡れていたんだ。
そんなことも気がつかなかった。



私は
言い訳を見つけてしまった。
(なまえ)
あなた
濡れちゃったね。タオル、貸すわ

ついてきて

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