その時、会議室の扉がノックされた
入ってきたのは、ナオミだ
ナオミは食事の乗ったお盆を持っていた
ナオミは手慣れた動作で会議室の机に人数分の緑茶と肉まんを置いた
そういい、兄のうなじを指先で撫でた
会議室の全員が見なかったふりをした
全員が目のやり場に困る
ナオミは頬を赤くしながら案を三つほど出した
残念ながらここに書けるような内容ではなかった
肉まんを食べながら、一同はしばし黙考した
会議室のホワイトボードには『依頼解決ノ合否』『社内ニ於ケル厄介事ノ解決』『八本モグ』『豊臣秀吉』『アルハラ』『太宰ヲギュウギュウ』『○○を✕✕シチャウ』『肉饅オイシイデス』と書かれていた
谷崎はちらりと国木田を見た
こうなることは二人とも予測済みであった
この会議の前、二人が打合せしていたのも実はこのためであった
その打合せは、ある理由から太宰には内緒である
打合せどうり、国木田が口を開いた
ナオミは小走りで会議室を去った
その時、会議室の扉から乱歩が姿を見せた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。