キミの前でだけ、
僕は特級呪術師の仮面を取り払って野獣の本性を晒してしまうんだ。
世界が生まれ変わった。
色褪せてたのにめちゃめちゃ鮮やかに世界が染まっていく。
かわいいなんてもんじゃない。
天使……。
俺はどうやらこの女の子に一目惚れをしてしまったらしい。
あどけない顔して俺を見上げるその目に今までにない恋心が掻き立てられる。
こんな気持ちは初めてだ。
カフェでコロコロ変わる女の子の表情を眺めながらぼんやり思う。
この子が笑えば笑顔独り占めしたくなるし、
ちょっと浮かない表情するとその理由を知って原因を取りのぞあてあげたくなる。
俺は今まで本気で人を好きになったことがなかったのかもしれない。
理屈じゃないが俺は本気でこの子が好きでこの子の笑顔を守り続けたい。
そう願った。
そして二回目のデートで断られる気がしなかった僕はストレートに告った。
鮮やかに染まった世界がまた新しい色を見せた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。