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第1話

Ep1
5
2026/01/12 12:35 更新
「お母さん!私ね大きくなったらお姫様になるの!」

「あら!あなたがお姫様になったらお母さんも嬉しいわ!」

「えへへ〜だからね!だからね!」
お姫様になりたいと母に言い名門のお嬢様学校に入った。小中高と学園に通いトップを目指し、あとはティアラを貰うだけだった。ティアラを貰うことはこの学園に通う女生徒全員の目標であり、年に1人しか貰えない。その1人に選ばれ明日の朝会でティアラを被るはずだった。
なのに階段から足を踏み外した―
ジリリリリと目覚ましが鳴り響く、目覚ましを止め部屋を出ようとした時ひとつの違和感に気づいた、
「暖かい」
異様なほど適温だった。私の部屋はいつも寒いのだ。しかし学園へ行かなければならない。扉へ手をかけようとしたその時だった。
20代くらいだろうか黒いスーツに身を包まれた黒髪の女性が入ってきた。
「おはようございます。レイカ様」
私の名前を知っていた。
「おはようございます。」
返事を返すとその女性は微笑みこちらですと私を大部屋へ連れていった。
大部屋には1人の大柄な男性がいた。
「おはよう。レイカ君」
「おはようございます。」
「しっかり挨拶ができてえらいな最近の若者は〜」
何故か急に最近の若者への愚痴を言い出した。よく大人たちが言うことだ。
「おっと、本題を忘れていたよ」
「いえ、慣れっこなので」
私は微笑んで言った
「そうなのかい。ではまずこの度はご愁傷さまでした。」
「はい?私死んでませんよ。だって今ここにいますし。」
そういえばここどこだ?
「君は昨日階段から落ち死んでしまったんだ。だが君の戴冠式を無くすにはあまりにも惜しい存在だと思いこの度君を冥界の姫にした。」
あ、私死んだんだ。というか今日から姫?どうゆうこと?
「私を姫というのはどうゆう事でしょうか?」
「儂には娘はおらぬ、そして日々の死者からの苦情の対策案としていいと思ったのだ。」
「苦情?苦情というのはどうゆうものですか?」
「むさ苦しいと苦情が耐えんのだ。それなりに女性の方もいるのだか圧倒的に男性が多くてな。」
「なるほど。」
「2時間後戴冠式を行うそれまでに準備をするように。」
「は、はい!」
はい、とは言ったが何をすればいいのかさっぱりだが身なりを整えるくらいはしておこう。
「レイカ様、ドレスを選ぶのでお手伝いをお願いできますか?」
朝の女性だ。
「わかりました」
「ありがとうございます、挨拶が遅れて申し訳ありません。私はレイカ様直属のメイドのヨミと申します。」
ヨミさんはいつもニコッと微笑む。
「では白、黒のどちらのドレスがお好みですか?」
白のドレスはふんわりとした背中に大きなリボンのあるものだ。黒のドレスはまっすぐストレートのスパンコールに近いものだった。
「ほかの洋服はありませんか?」
ヨミさんは少し考えている。
「ではこちらはどうでしょうか?」
淡い青色のベルラインだった。
「これがいいです!!」
あまりにも可愛いし美しくて食いつき気味に答えてしまった。
「ではこちらを用意させていただきますね。あと私に敬語は不要です。」
「ありがとうござ、、ありがとう。」
少し赤面してしまった。
戴冠式はあっという間に終わってしまった。生前の部屋と全く同じ部屋で一息つくのと同時に死んでしまったのだということを強く感じた。
「レイカ様、明日からの予定をお話しても宜しいですか?」
「うん」
「まず、朝は9時開始です。9時から王様の元へ死者を連れてきていただきます。終業時間は5時です。2人王様の元へ連れていかれても終了です。」
「たった2人?」
「はい、ですが死者の悩みや後悔、生涯の話したいことを全て聞いてから送り出してあげてください。」
「もし、どれかひとつでも抜けたら?」
「死者の方は転生できずこの世界に留まってしまいます。レイカ様には死者の思い出がトゲとして見えるようになっています。なのでそのトゲが全部取れてから連れて行かれてください。」
「なるほどね。」
「はい、なのでしっかり聞いてあげてくださいね。」
案外難しそうな業務なんだけど。
「明日から、頑張るわね!!」
「その調子でよろしくお願いします。」
そう言ってヨミさんは部屋から出た。

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