夕暮れの空が少しずつ群青に染まり始める頃、あむぎりはいつもの公園のベンチに座っていた。
その横に、小さな笑顔で彼女――あなたが寄り添っていた。
彼女は笑いながら、あむぎりの肩にもたれかかる。
あむぎりは少し照れながらも、どこか安心したように目を閉じた。
彼はずっと、不安だった。
忙しさの中で、彼女とちゃんと向き合えているのか。
自分のことを、まだ好きでいてくれてるのか。
画面の向こうの「ファン」との距離感に悩む夜もあった。
でも彼女は、いつだって変わらない。
売れても、忙しくなっても、彼を「ただのあむぎり」として見てくれる。
カメラが回っていない時の、弱い自分すら抱きしめてくれる。
紗季はその言葉に、声を立てて笑った。
それはいつもの笑い声で、
あむぎりの心の奥まで届く、あたたかな音だった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。