第5話

君が笑う理由
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2025/07/04 11:39 更新
夕暮れの空が少しずつ群青に染まり始める頃、あむぎりはいつもの公園のベンチに座っていた。
その横に、小さな笑顔で彼女――あなたが寄り添っていた。
(なまえ)
あなた
「ねえ、今日の動画、観たよ。すっごく面白かった」
あむぎり
あむぎり
「え、まじ?どのへん?」
(なまえ)
あなた
「うーん……ヤマトが滑ったとこもだけど、あむぎりがさ、ちょっと遅れて笑ったとこ。ああいうとこ、好き」
彼女は笑いながら、あむぎりの肩にもたれかかる。
あむぎりは少し照れながらも、どこか安心したように目を閉じた。
彼はずっと、不安だった。
忙しさの中で、彼女とちゃんと向き合えているのか。
自分のことを、まだ好きでいてくれてるのか。
画面の向こうの「ファン」との距離感に悩む夜もあった。
でも彼女は、いつだって変わらない。
売れても、忙しくなっても、彼を「ただのあむぎり」として見てくれる。
カメラが回っていない時の、弱い自分すら抱きしめてくれる。
あむぎり
あむぎり
「……なあ、あなた。俺さ、もうちょっと頑張ってみるわ。もっといろんな人に届くように。
でも、何があってもお前だけは、手放さんから」
(なまえ)
あなた
「ふふ、それプロポーズ?」
あむぎり
あむぎり
「ちがうちがう、ちが……いや、でもいつか言うし……練習ってことで……」
紗季はその言葉に、声を立てて笑った。
それはいつもの笑い声で、
あむぎりの心の奥まで届く、あたたかな音だった。

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