第87話

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2020/07/03 07:02

文化祭に体育祭、
慌ただしかった日々が過ぎ、



今日は休日。




私はこの間受けた模試の結果を見ながら

1人、考え込んでいた。






『……S判定だったけども、、


ほんとに1問も間違えて無かったのか不安になるよ逆に。』





通知書類には「全国順位、1位」の文字。





「あなた様はやはり、とても優秀なのですね。」




『…努力はした。

あとは父さんがこれを見てなんて言うかだよ…』





そう、






私は今ある事を父さんに許可してもらわなければいけない。





それは…




ガチャッ_。





『あっ……と、父さん…模試の結果が返ってきたんですけど、』





天宮父「ああ、知ってるよ。

S判定だったんだろう?」





『(知ってるんだ…)
はい……それで、一つお願いが……』





天宮父「お願い…?なにかな?」





コーヒーを飲む手を止め、私を見る父さん。




うう……相変わらずの圧だ。



『あの、、宮城の母の元へ……1度戻りたいのですが…、

あっ、数日だけです。』






話に行くって決めたから、




まずはちゃんと父さんに許可とらないと…







天宮父「…気をつけて行ってきなさい。

母さんには連絡をしておくよ。」






『_!!ありがとうございます。』






パタンッ。






『よし……許可貰えた……



あとは、、










若利と……会う「機会」を作らないと、、』







白鳥沢にいた頃の連絡先は全て消してしまったし、、




どうしようかな、




向こうに着いてから機会を作れるかどうか……




『うーん、、』







〝これ__俺の連絡先だけど。


なんかあったら……溜め込まないで頼れよ。〟














『あ、………1人だけいた……』








転校する日、



私の手に自分の電話番号を書いた紙を、握らせるようにして_



そのまま走り去っていった人。














『………確か、、生徒手帳の中に入れたはず。』





白鳥沢の生徒手帳は、



なぜだか自然と兵庫までもってきてしまったのだ。





だから、、その紙もあるはずだ。






『えっと………あ、あった……』






ピッ、ピッ、


と書いてある番号をそのまま打ち込む。





『きっと部活が終わってすぐだろうな、、


申し訳ない……』






プルル__プルルル__







______________________

in白鳥沢。




五色「お疲れ様ッした!!」




白布「お疲れ。あれ、牛島さん…まだ練習するんですか?」





若利「ああ…、今日はサーブがいつもより
上手くいかなかった。」






白布「…俺も練習付き合いま___」






ブーッ。ブーッ…。





白布「あ、すみません…


(知らない番号……)


もしもし…」







______________________






『…っ!……あ、、久しぶり……あの、私……


あなただけど、、』





白布「…!あなた…?」





久しぶりに聞く彼の声。









白布賢二郎。






私と彼は同じクラスで、悩み事があるとたまに相談に乗って貰っていた。





『いきなりごめんね、、』



白布「あんまりにも久しぶりだから、…びっくりした。

…元気でやってんの?」




『うん…、元気。実は電話したのは、

今度そっちに帰るから……その時にお願いがあって、』





白布「お願い…?なに?」




『………若利と、、会って話がしたいの。

どうしても直接面と向かい合って話したいことがあるの。』





白布「……それって、あなたが牛島さんと別れた事と、

転校して行った事と関係がある事?」




『…うん。言えなかった、



いや___



言わなかったの。私が…逃げちゃったの。



でもそれじゃあだめだって、わかったから。


だからどうしても話しておきたいの。』






そう言うと白布は


「わかった、牛島さんに帰ってくる日伝えておくから」
と言った。



『…ありがとう。』


白布「じゃあ…会える時間帯聞いたらまた連絡する。」


『うん、』





ピッ。






『はぁ……緊張した……』





……でも、ちゃんと言わなきゃ。




私が貴方の傍を離れた理由。



そして、転校した訳も。






_______________________
休み明け、学校にて。



『…土曜日の午後から…か。』




白布から連絡があり、その日に会える事になった。





『今更なんだよとか思われるかな、、』





緊張と不安が入り交じり、ため息が出る。






治「ため息ついたら幸せが逃げてくで?」





『治…』



治「…決まったんやろ?会える日。」




『うん。そうなの。……でもいざ会うってなったら
緊張しちゃって…』






そう言うと治はポンッ、と私の頭に手を置き、



治「大丈夫や。ちゃんと自分の言いたかった事
話すんやで。


あと……お願いというか…あんねんけど…」






『ありがとう。

……お願い?なに?』





そう言うと治は下を向きながら


治「……そのまんま宮城に残って

帰って来ぉへんちゅーことはやめてな…?」



と、少し不安げな顔を浮かべた。




え……可愛い…




『大丈夫!ちゃんと兵庫に帰ってくるよ。
行くのは2日だけだから。』





治「…ほんま?」



『うん!』))ニコッ




治「_!
…やっぱり、

あなたは笑ってる時がいっちゃん可愛ええな、」




ふ…とやんわり微笑む。




『えっ…そ、そうかな_//』



治「せやで。…ずっと笑っとってほしい。」





『あ、、ありがとう?』





侑「はいそこ。近すぎや。」





『侑!いつの間に…』





治「(俺があなたと話とったら
いつも来るんよな…コイツ。)


なんやねん。自分のクラス戻れや。」





侑「はぁー?ええやんか別に!

サムはええよなぁーあなたと同じクラスで!!」





私の頭に肘を置き、治にそう言い放つ。




…いや、、だから、肘置きにしないでほしいんだけど。




『痛い重い邪魔!』



治「あなたが嫌がってるやんか。離れろや。」



『そうだよ!離れてくれたらいいから、』


侑「たまにしか会えんからええやんか!!」


『いやあの、』

治「いやほぼ毎時間こっち来てるやんか!
何がたまにや!ドアホ!」


『ちょっ、』


侑「ぁあ!?じゃかぁしいわ!!やるんかゴルァ!」





『………お前らええ加減にせぇよ?』




侑・治「_ウィッス。」




_______________________




なんやかんやですぐに土曜日になった。




朝イチで神戸空港から飛行機で飛び、東京から仙台、



そして___宮城に到着。





『久しぶりだな、まず母さんのとこに行かなきゃ。』





宮城の家に着き、インターホンを鳴らすと

母さんが出迎えてくれた。





天宮母「久しぶりね、あなた。
会いたかったわ〜ふふ♡」





ギュウゥウ…




『うぐっ…か、母さんくるしっ。』




中へ入り、荷物を置く。




天宮母「最近どう?あっ、あの子とはどうなってるの!
ほら、侑くん!」





『))ビクッ!……あ、侑とは…えっと、、』



しまった、食事会であったこと忘れてた…!!




私と侑は……付き合ってることになってるんだった、、





『ま、まぁまぁ順調だよ!あはは、、』




ここでバレると面倒だから、


ごめんね侑…))泣





天宮母「そうなの?♡あの子すっごく格好のいい子だったから、やっぱりモテるんじゃない!?
大丈夫なの!?貴方鈍感なとこあるからちゃんと見とかなきゃだめよ。」



『うん、わ、わかってるから…』




いそいそとリビングを出て、スマホで時間を確認する。




……待ち合わせ場所は白鳥沢高校近くの公園。






もうすぐ行かなきゃ。




若利に…



私の〝今まで〟を話すために。






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