第82話

77 文化祭編
7,229
2020/05/30 03:39

『文化祭だぁぁ!』



今日は(ミスコン以外)楽しみにしていた文化祭!



さち「おおっ、あなた元気やな〜!」


『うん!だって楽しみだったからね〜』



みよ子「ミスコンも楽しみやな〜♡」



『………』))ズーン…



みよ子「あ。ごめんやで…」



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全校で1度集まって注意事項の話があった後、

体育館を出てさっそく北先輩との約束の場所へ向かう。



が。……その前に。




後ろからずっと着いてくる人影、そして足音。




人数は多分2人。



…まぁもう誰かは大体わかってるんだけど))汗



『………侑、治!ついてきてるの知ってるからね?』




侑・治「))ビクッ!」



くるっ、と振り返ってみればやはりそこには
忍び足で私の後を追っている最中の双子が。




侑「いや…ほら、あれや!ボディーガードや!
なぁ!サム!」



治「せや、!北さんにとられ…あっ、いや、
いろんな奴からあなたを守るためや!」




『ボディーガードいらないから…。

あと2人があんまりにも喧嘩するから、

それ反省するまで一緒に回らないッ!!』



それだけ言って2人を残し歩き出す。




侑「……(こうなったら最後の手段やでサム…)」



治「(せやなツム……)」




タタッ…!と後ろから足音が聞こえて来たかと思えば




シュゥゥッ_!!ガシッ!!



『ッ!?いやっ、なに!?』




いきなり下からスライディングしてきた双子が


私の足首を掴んだのだ。




侑「なぁ〜!お願いや〜!!
反省してるから俺と一緒に回って〜!!」



治「俺も反省してるんや!!せやから俺と!!」




『…………』




足首を掴み下からそう叫ばれ、

周りの目も笑いから徐々に「幻滅の目」に変わる。



『………離して。』




侑・治「(あっ、これガチおこのやつやん…)」



ぱっ、と離れて廊下に正座する2人。




『変なことしないで、、。
…全然反省してないよね?ねぇ、わかってるの?』



侑・治「……す、すんません…」



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侑side



アカン……やらかしてもーた。


あなたがガチおこや……




スライディング効果は抜群やと思たんやけどな、、



『じゃあ、また後で。』




そう言ってあなたは
スタスタと歩いて行ってしまった。





角名「ねぇ、なんで2人そろって
スライディングしてしかも足首つかんだりしたの?」




治「角名…」



侑「昨日チラッと見たテレビでな、
それやったら怒っとった女が許してたんや。」



角名「それ…バラエティ見た?」




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あなたside




『あっ、、北先輩_!すみません、
遅くなっちゃって…。』




信介「ええよ。ほな、行こか。」




そう言ってようやく合流し

北先輩と一緒に校舎内を歩く。



3年男「!?おい北!?その子……天宮あなたちゃんやんか!!」




信介「ああ、せやで。」




3年男「すげぇ……どうやって手に入れたん……」



『??』



なんの話してるんだろ。




信介「あなたちゃん、行きたいとこあるなら
遠慮せんでええからな?」




『あっ、はい!えっと…



あっ__!あそこ!〝2ー7お化け屋敷〟行きたいです!』





実は私こういう系大好きなんだ。




信介「…!ほんまに?珍しいなぁ。」



こういう系苦手そうやと思とったわ。

と言ってほないこかと入口まで向かう。



『(結構並んでるな…)』




さち「あれ、あなたやんか!」





『_!さち、何してるの?』



お化け屋敷に並んでいた1人はさちだった。



さち「実はな、うち彼氏とまわってんねん」))コソッ



『!えっ、そうなの!?』




さち「こないだ
付き合うたばっかりなんやけどな(笑)」



『なるほど…!』



確かに
さちの横には他クラスの男の子が1人
照れくさそうに会話を聞いていた。




『(ふふ…いいなぁ、)』



羨ましい、とも思うけど、私はダメだ。




私の相手は_____父さんが決めるから、。




信介「…?あなたちゃん、大丈夫か?」



『へ…?』


信介「元気無いように見えるんやけど、
具合悪いなら保健室行くか?」




心配そうに私を覗き込む北先輩。



『あっ、いや、大丈夫です!ごめんなさい…』



信介「さよか?
もうすぐ順番まわってくるで。」




『はい!』))ニコッ




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治side




侑「なぁ、北さんとあなた……お化け屋敷ならんで
るやんか……!!」




治「せやな……7組のお化け屋敷すごいこってる
らしいで。」




侑「どないすんねん、あなたがキャー言うて
北さんに抱きついたら……」



アカーン!!ダメや!そんなん!と1人で叫び散らす
ツム。



…俺かてほんまは叫びたいけど、


ツムよりかは常識あるから絶対せんわ。
↑(スライディングしてたくせに。)




治「…ほんなら俺らも行くか?」



侑「えーっ、サムと…?お前ビビりやんか。」



治「………ええわ、俺がアホやった。
もう1人で行くわ。」



侑「あーッ!!
すまん!悪かったて!!よっしゃ2人で行こーや!!」




…いつもこうやねん、コイツ昔から。



治「(いっちゃんビビりなんは自分なくせに。)」




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あなたside



順番が回ってきて、中へと続く入口から案内される。



7組女子「いってらっしゃ〜い!
(天宮ちゃんマジパネぇ…)」





『凄い……本格的ですね、』



信介「せやな、
…足元が暗くて危ないな、」





奥へとすすんでいくと御札があって、

それを取って出口まで向かわないといけないらしい。




信介「御札て、あれやろ?」


『あ…!本当だ。私取ってきます。』




そう言って御札に手を伸ばすと…



ガタッ!!



幽霊「ウォォォ………!」




『!!びっくりした…』



私達がくるまでずっと待機してたんだ。



大変だなぁー、、




『ペコッ))』




幽霊に一礼してそのまま出口へと向かう。



扇風機から出る生ぬるい風や吊るした人形が

お化け屋敷特有の雰囲気を出していた。




『出口ですね!…どうでした?怖かったですか?』



信介「いや、怖くはなかったんやけど、

あなたちゃんがあんまりにもきも座りすぎて
びっくりしたわ。」



そう言って出口のドアを開け、御札を係に渡す
北先輩。




『えへへ、実はこういうの大好きなんです!』




信介「ふ…そうなんか。……おもろい子やな。」




『(笑った……)』




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治side

お化け屋敷内にて。




侑「さっ……サム!!もうちょいゆっくり歩いてや!」



治「はぁ…?なんでや。もうあなたと北さん
行ってもうたやんか。」




侑「せやかて御札とらんと出られんのやろ!?
落ち着いてゆっくり行こうやって…!!」




治「(自分こないだアランくんのことバカにしてたやんか…)」




侑「なぁ、サム」




治「なんや?」




侑「……サムはあなたん事どんくらい好きなん?」





治「………なんで今そないな事…」




雰囲気和ますためや…
と言って俺の両肩に手を置くツム。




治「……飯より好きやな。」



侑「基準飯かいな。」





御札を取り、ようやく出口から出る。




最初から最後までツムは俺にくっついて
びびっとったな。





治「(暑苦し……)」






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