第18話

新技
123
2025/06/27 23:36 更新

吹雪
手合わせ?
飛燕
嗚呼。

首を傾げる吹雪。

飛燕
私には何かが足りない。
あの二人のような、何かが。
吹雪
それを知りたいと。

もっと強くならないと。

吹雪
良いでしょう。
私でよければ相手になります。


飛燕
…。
吹雪
…。

お互い竹刀を手に持ち、淡々と攻防を繰り返す。

飛燕
” 桜花連斬 “ ッ!!
吹雪

” 桜花連斬 “

小刀を使い、高速で軽快な連続攻撃を繰り出す技。
体が小さくても使いやすい、初心者向けの技。

質より量を重視した技でもある。
まずは初歩からだと、師匠に叩き込まれた。

吹雪
(なるほど。筋は悪くない。
決して弱いわけではない。)

吹雪
分かりました。もう大丈夫です。

私は戦闘態勢を辞めた。

吹雪
貴方は決して弱く無いです。
吹雪
相手の出方に応じて戦い方を変えるのが上手いし、
反射神経も優れているようですので
小刀での暗殺特化は貴方には合っているかと。

吹雪
ですが、初見の相手に非常に弱い。
飛燕
吹雪
初見の相手に強気に前に出れない。
吹雪
貴方に欠けているのはそれでしょう。

吹雪の意見は的確だった。

吹雪
私の時も、初めは戸惑っているようでした。
吹雪
ですが二回目からは相性が悪いにも関わらず、
こうして上手く強気に出ることができている。

吹雪
ですがあの二人は初めから強気に出ていた。
飛燕
…確かに。
吹雪
何かが足りないとはそういう事です。

吹雪は少し考えてから言った。

吹雪
貴方はおそらく多対一が向いているでしょう。
場が静かな程貴方は強気に出られない。
なら場が混沌としていた方が貴方にはいい。
飛燕
多対一…。
吹雪
その場に上手く忍び込み、
一人ずつ的確に仕留めていく。
吹雪
その場に対する気配り、
そして圧倒的な適応力がある貴方なら
きっと成し遂げられるでしょう。

大事なのは流れと勢いだと、吹雪は言う。

一度勢いづいてしまえば、
私は止まる事を知らない暗殺鬼と化す、と。

吹雪
貴方の強みを最大限に活かすには、
この方が一番かと。
吹雪
ですので、
飛燕
初手で使う一撃必殺技が欲しい、と。
吹雪
そういう事です。

吹雪
そうですね、
例えばこんなのはどうでしょう。
吹雪
命名するなら________


この時代を騒がせた「 悪党 」とは、


土地を失い野党と化した武士達や、
税も納めず独立天国を築く武士達。


いわば、

賊の奔放さと武士の戦闘力を兼ね備えた集団である。


戦闘経験が豊富であり、
戦術も組織力も只の賊とは比較にならない。

・・・
…よし。両面からの包囲が完成した。

・・・
お頭ァ、入り口から攻めずに
山ン中から攻め込むのは何でスか?

・・・
そんなのも分からないのか外道め。
先鋒が三度も帰らなかったんだ。
その道中には伏兵か罠があると見ていい。
・・・
こっちから攻める方が安全だってことだろ。

・・・
そういう事さ。

・・・
ひいい、流石お頭。知識深みぃ。

・・・
大人は殺し、童は奴隷に。
略奪の美酒を楽しもう。
・・・
行くぞ。

一斉に駆け出す悪党達。完璧な奇襲。だがしかし、

・・・
何っ…?

後ろから襲いかかるように放たれる、大量の弓。

・・・
山頂に伏兵!?
・・・
我々が背中を見せ突入するのを待っていたか。

・・・
野郎、登っていってぶち殺してやる。
・・・
やめろ。それが狙いだ。

・・・
軍を反転して登り直す間に射られ放題。
無勢で多勢を討つ為の戦法だ。
・・・
構わず進め。
・・・
あの戦法は自分達の兵力を白状したのと同じだ。

・・・
敵は少ない。
・・・
村さえ占拠すれば戦は終わる!


飛燕
大量大量。
吹雪
さぁて、戦だ。

吹雪
では飛燕殿。
飛燕
分かっています。
飛燕
出撃、ですね?
吹雪
ええ。

私は小刀を手に取った。

飛燕
早速貴方の教えを試そうと思います。
飛燕
では。

さあ、戦いの時間だ。


敵兵
おいおい聞いてないぞ?
なんでこんなに敵兵が居るんだよ。
敵兵
死ぬかと思ったー…。

私は草むらに忍び込み、機を伺う。

飛燕
…。

一人、私の間合いに踏み込む時。

私は一気に仕掛けるつもりだ。

敵兵
あれなー________

飛燕
(今!)

一撃必殺

飛燕
短刀衝!!

敵兵
ぐあっ…!!

敵兵
て、敵ィ!?
敵兵
バカな!気配はしなかっ…、

飛燕
天翔剣舞

敵兵
カハッ、…!
敵兵
お前ぇ!!よくも!!

「 短刀衝 」

最速でより確実に相手を仕留められる様、
極限まで集中力を高めて放つ究極の一撃必殺技。

すぐ次の技に繋ぐ為に、
速度を保ったまま相手を仕留められるのが特徴。

飛燕
(すごい。使いやすい。)

「 天翔剣舞 」

 短刀衝 と同じで、
一撃で相手を仕留められる事に特化した技。

ただ違うのは、

元々ある程度の速度が無いと使用出来ず、
一撃では無く、連撃の技である事。

分かりやすく例えるなら、
「 鬼滅の刃 」に出てくる
「 水の呼吸 参ノ型 流流舞い 」みたいな感じ。

飛燕
(良い感じに勢いがついてる。
今ならこの場の敵兵、全て堕とせる。)

それ程、この二つの技は私には合っていた。

飛燕
(吹雪の言っていた事が分かる。)

確かに私は勢いづいて仕舞えば
容赦無く次に行ける。

飛燕
(今までとは大違いだ。)

敵兵
小娘ぇぇええ!!

敵兵
バッカお前近寄るな!!
敵兵
あぁん?ふざけっ…、

私は容赦無く斬り伏せる。。

敵兵
馬鹿野郎ー!!!

飛燕
(間合いに入れて仕舞えば私のものだ。)

実際、私は間合いに踏み込んだ者以外は放置している。

まずはこの戦い方を定着させる方が優先だからだ。

飛燕
次は、お前だ。

敵は大量。

飛燕
(此処を堕としたら、
他のところにでも行こうかな。)

残虐の時間は、まだまだ始まったばかりだ。


作者
通り魔飛燕ちゃん。

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