《💙🐱side》
いつもの朝。
違うのは、自分のじゃなくて恋人であるないこの寝室ってこと。
言葉が返ってこないことに疑問を感じ、ふと重みがある自分の
右腕に目をやる。
スースーと静かな寝息を立て、俺の腕を枕にしてないこが眠っている。
唇は桜のような淡いピンクで、まつげは繊細で長い。
ノーメイクでこれだから、ほんと困る。
そういえば昨日、風呂に入る前は酔ってて全然覚えてへんけど、
寝る前、ベッド一つしかないんだよね、ってないこが困ってたから、
じゃあ一緒に寝ればええやんって提案した。
ないこはなんかしらんけど……
めっちゃ照れてた。
またもや赤面になり、逃げるようにないこが
部屋をあとにしてしまった。
もしかして俺、酔ってる間になんかしたんとちゃうか。
でも記憶にないのだ。
ま、いっか。
後で本人に聞こう。
少しぼーっとしたあと、自分の手元を自然と見つめていた。
先程まで存在していた暖かみ。
今は何もなくて、寂しい。
寝ても覚めても、ずっと頭の中はないこでいっぱい。
もはや支配されている。
けどそんな支配に振り回されているのも、それに浸っているのも俺。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。