−3月15日
今日は全員休みが取れたので、石川にある病院に行きます。
もらった住所にあったのは、雑居ビル。
それも、絶対入りたくないような建物だった。
3階にあるその病院は、事務所のような作りで、決して病院とは言えなかった。
ドスの効いた低い声で出迎えてくれた人は、白衣を着ていた。多分ここのお医者さんだ。
背景に不釣り合いなくらい可愛らしい看護師さんが出てきた。
よかった…ちゃんと病院なんだ…
一方その頃3人は、看護師に連れられて、別室に来ていた。
同じ目線の相手は友達だけか…
気を病む人は、多くが一人っ子だったり、兄弟がいても仲が悪い場合が多い。
自分と同じ時代を、同じ環境下で、同じスピードで育った相手が、友達という、いつ無くなるかも分からない者しかいないからだ。
几帳面タイプ…
少しのミスでも気にして病むことが多い…
本当は、自分のことを強制的に振り返させることが目的。
精神的な病気の場合、原因は自分の中にしかない。
自分が何を恐れ、何を求めているのか、それを正確に把握して受け入れることでしか、治せないんだ。
そのために俺ができるのは、君のパンドラの箱がどこにあるのかを突き止めることまで…
その箱を開けられるのは自分だけだ。
分からない…か。考えるのを放棄しているな…
これは近いかもしれないぞ…
少し掘ってみるか…
家を何度も変わっている…実の両親は他界…
長い付き合いの友達もいない…
心許せる人が近くにいないのか…
いじめを受けていたにもかかわらず、"特にはない"か…
他人からの悪意を年齢のせいに…認めたくないんだな…そうやって自分を守ってきた。
そして、他人の好意を正面から受け取れない。
言ったことはない、と…
病気を治すのはあくまで通過点に過ぎない。
聞きたいのは、何のために治したいか、だ…
自分の気持ちに早く気づくんだ…
手遅れになる前に…
今まで誰にも言えなかった、自分でも認めたくなかった感情と向き合え…
もう、分かっているはずだ。
よし、これで少し進歩だな…
心のどこかでは分かっているはずだ…
ずっと前から…
失うことへの恐怖が、この症状に現れた。
それだけ、すでに彼らを大切に思っている、ということなんだが…
それは後々気づけばいい…
くむくぬぎです!
今回は、奏の過去編!ということでした。
奏の過去はなんとなく固まってはいたのですが、いざ書いていくと、どんどん壮絶になっていく…
最初はもっとライトな話にしようと思っていたのに…
でも、こっちの方が後々の話的にも良かったのかな…と。
結構、暗い過去を持った主人公に惹かれる節があるので、小説とか考えてると、割とそういう子になっちゃうのです。過去に色々詰め込みたくなる、というか…
自分の想いに気づいた奏…
一方その様子を見ていた3人は…
また次回、お会いしましょう!バイバイ


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。