それはある季節の夜におこりました。
《太宰治&中原中也 15歳》
太宰side
そんな事を呟き後輩達に書類を渡した。
まぁ渡したというよりは投げつけただけれど。
そう言うと1人のマフィアが僕の目の前に来た。
僕は「目の前に来い」なんて言っていないのにね。
そんなことを思いながら僕は追い払うように言った。
睨むように言ってしまったからだろうか。
皆怯えながら書類を大事そうに抱きしめ、
この部屋から出ていった。
そう思いながら椅子に凭れ掛かっていると、
窓から1人の少女が辛そうに歩いているのが見えた。
僕はチラッと時計を見てみた。
すると、時計の長い針は24時を指している。
興味本位でマフィアの建物を抜け出し、
少女の居る方へ行ってみた。
すると、少女のものらしき声が聞こえた。
その声は弱々しく今にも泣きそうな声だった。
体もブルブル震えていて、
寒そうに手に息を吹きかけていた。
僕が声をかけてみるとビクッと体を震わせ
こちらを奥底まで黒く染った瞳で見てきた。
少女の言葉は何か可笑しく日本人じゃないとも思えた。
こんな事を言う人こそ怪しい人なのではないか。
そんな事を考えながらそう言うと、
少女は僕の方にトコトコと寄ってきて
怯えるように震えながら僕の服の裾を掴んだ。
少女は僕の目を見て真剣に話し始めた。
泣きそうな目をしながら。
少女は何者なのだろうか。
少女からは妙な雰囲気が感じられる。
この少女も異能力者なのか、?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。