星導からのメッセージを閉じてから、
胸の奥のざわつきはしばらく消えなかった。
拒絶しても、怒りを向けても、どうしても
スッキリしない。
会いたくない。顔を見るのが怖い。
それでも、事故に遭った人に何もしない
自分にも嫌気がさした。
小さく呟き、それを自分への
言い訳のように握りしめる。
恋人じゃなくて、ただの友達。
それなら境界線を引ける。
そう思わないと、向き合う勇気が出なかった。
病院の廊下を歩くと、消毒の匂いが
鼻に刺さった。
胸がまたざわつく。
病室の前で一度深呼吸し、ノックする。
中から聞こえた声は、変わらない
星導の声だった。
ドアを開けると、車椅子で窓際に座っていた
彼がゆっくり振り返る。
私を見るなり、目が驚きできゅっと細くなった。
星導の一瞬表情が曇りながらも、
いつもの笑顔を見せた。
その星導の表情がまた胸を刺す。
でも、今日は逃げないと決めたのだ。
冗談めかして言う声に、
以前みたいな軽さがあった。
思わず視線をそらしそうになるが、
踏みとどまる。
たったそれだけの言葉なのに、
胸の奥がじんと熱くなった。
まだ許したわけじゃない。過去は消えない。
でも、向き合う一歩にはなった気がした。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。