第11話

10
1,042
2025/11/28 09:17 更新








     星導からのメッセージを閉じてから、
     胸の奥のざわつきはしばらく消えなかった。



     拒絶しても、怒りを向けても、どうしても
     スッキリしない。



     会いたくない。顔を見るのが怖い。
     それでも、事故に遭った人に何もしない
     自分にも嫌気がさした。







あなた
お見舞いくらい、行くべきだよね
……友達として








     小さく呟き、それを自分への
     言い訳のように握りしめる。



     恋人じゃなくて、ただの友達。
     それなら境界線を引ける。
     そう思わないと、向き合う勇気が出なかった。



     病院の廊下を歩くと、消毒の匂いが
     鼻に刺さった。



     胸がまたざわつく。
     病室の前で一度深呼吸し、ノックする。







hsrb
どうぞー








     中から聞こえた声は、変わらない
     星導の声だった。



     ドアを開けると、車椅子で窓際に座っていた
     彼がゆっくり振り返る。
     私を見るなり、目が驚きできゅっと細くなった。








hsrb
あなたさん?来てくれたんですか?
あなた
うん。……その、友達として。お見舞いだけ
hsrb
ありがとうございます
来てくれるだけでも嬉しいです









     星導の一瞬表情が曇りながらも、
     いつもの笑顔を見せた。



     その星導の表情がまた胸を刺す。
     でも、今日は逃げないと決めたのだ。







あなた
怪我、どう?
hsrb
歩けるようになるまで時間はかかります
まぁ、生きてるだけマシなんですけどね








     冗談めかして言う声に、
     以前みたいな軽さがあった。



     思わず視線をそらしそうになるが、
     踏みとどまる。







あなた
……心配、したんだから
hsrb
本当に来てくれてありがとうございます









     たったそれだけの言葉なのに、
     胸の奥がじんと熱くなった。



     まだ許したわけじゃない。過去は消えない。
     でも、向き合う一歩にはなった気がした。






るりこ
るりこ
最高すぎるので是非🙌🏻

プリ小説オーディオドラマ