大吾side
終礼が終わり、担任からから手紙を渡された。
少し丸っこい字で『西畑くんへ』と書いてある。
これは間違いなくはっすんの字。
『西畑くんへ
流星が早退しました。
そんなに大事じゃないから心配せんでええよ〜。
また次学校来たときお知らせするな!
大橋より』
大吾
「え…」
俺はそれを読んですぐ、鞄を持って図書室へ向かった。
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丈一郎side
ガラガラ!バタン!
大吾
「はっすん!!」
丈一郎
「う、わ…大吾やったんか。あんな、ここ図書し」
大吾
「流星早退したって、!」
和也
「あ、うん、そうなんよ〜。今ちょうどその話しとって」
大吾
「大丈夫なん…?!」
和也
「大丈夫よ〜?ちょっと熱が出てしもうてね」
今はぐっすり寝とるらしいよ。そう大橋が言うと「よかったぁ…」とへなへなと床に大吾は座り込んだ。
和也
「心配して来てくれたん?」
大吾
「ッ当たり前やん!あ〜でもほんま、よかった…」
丈一郎
「流星も愛されとんなぁ」
大吾
「ぃやほんまに!おっきい病気でも持っとんかと思ってめっちゃ心配したんやから!!」
丈&和
「え?」
バッと大橋の方を見ると、大橋も俺の方を見てもともとまんまるな目をさらにまんまるにしとった。
大吾
「え、なに…ほんまなん…??」
丈一郎
「あ、いや」
流星と会って数日の大吾に言うてしまうんかと大橋の方をまたまた見ると、きゅっと口を結んで大吾をじっと見つめていた。
数秒の沈黙の後、慎重そうに大橋の口が開く。
和也
「流星は、___ 」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!