第64話

2S    #11
287
2024/04/17 07:59









初兎
グスッ ……  うぅっ







しょにだの涙はなかなか止まなかった。


そしてその姿は …… 

『悪魔の兎』と呼ばれる、いつもの"初兎"とはかけ離れていた。

頬を伝って流れる雫は、澄んでいて美しい。

俺の腕の中で肩を震わせる様子は、か弱い兎のよう。

こんな姿を見たら、いつもの悪魔のような悪い笑顔や動作は、

無理を演じているのではないかと疑うほど

苦しそうな、寂しそうな表情かおだった。
 



If
好きなだけ泣き
If
そしたらちょっと、楽になれるで ニコッ



初兎side

まろちゃんは、
ただひたすらにボクの背中をさすってくれた。

まろちゃんの手は、温かくて
後ろからの温もりに、更に涙が溢れてきた。
まろちゃんって、出会った時からそうやけど
無理してるように感じる。

前にないちゃんと何かあったんかな?

よく、
まろちゃんないちゃんの前だと悲しくて寂しそうな表情かおしとるよな

きっとこの手は、
数々の困難とか、いろんなものを乗り越えてきた
すごく愛情詰まった
暖かい手なんやろなぁ …… 
初兎
(ボクも、まろちゃんみたいになれればいいのに)


心の中で、そう呟いた。

まだまろちゃんから離れたくなくて
少し、泣いてるふりをしてみた。






 何を言ってるのかさっぱりだ。
 怒らないでくれ
 わたしは一応真剣なのだ。

 ただ、今日は情緒不安定なだけなのだ。



 …………… 





 活動休止するかほんとは迷ってた。

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