佐川先生の、彼氏ーーーー?!
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と、佐川先生が言う。
ちょっと待てよ、、
ソンって人と、、まあ、ソンさんが、佐川先生の彼氏だとしたら小宮先生抱きしめてたのって、、??ええ??
さすがに浮気とかでは、、なさそうだし、、、
と、考え込んでいたら愛美が口を開いてくれて
流石にここも正直に話したら、なんか、こっちがストーキングしてみたいに思われそうだしな、、どどうしよう
どう言おう、、。
と、納得したようにいった。
さすが、、!愛菜ちゃん!!!
とっさの助け舟!!
ゴクリとつばを飲み込んだ。なんだか、この空気緊張するな、、。
そうして、佐川先生は、はなしはじめた。
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私が、ソンに出会ったのは韓国に行った時道に迷ってしまって、、そこからだったかな。
そしたら、ソンが、ここですよって。まだカタカタの日本語だったんだけど丁寧に教えてくれて。
ふつう、そういうの韓国人だったら韓国語で答えるじゃない?でも、ソンはちがかった。
で、なんか、それで、なんで日本語を?知って?って聞いたら。
ソンは、アイドルになろうと芸能事務所で頑張っていたのだけれど、その事務所でも色々あってね。辞めざる負えなかったらしいの。
でね。そんなとき日本を紹介する番組をたまたま見かけたらしくてね。
それで、日本語の勉強始めたみたいなの。
で、ソンが、、私日本人だったから、日本のことばかり話しかけたり質問し合ったりして、、まあ、楽しい時間だったわ。
そうして、話していったからかな。ソンが、
って言われて、、ソンに日本語教えるようになったの。まあ、次第に好きになっていた。きっと。ソンのことが。もしかしたらね。
きっと、ソンもおんなじで、私のこと好きになったんだと思う。
そんなある日。告白されたの。
ってね。
そりゃあ、びっくりしたわよ。急なんだもの。
でも、私はすぐに答えられなかった。
私はもう、恋なんてしないって決めたから。
そんな、出来事があったのよ。
私ね、
中学生くらいかな。いじめられてて。
そんな時助けてくれたり、励ましてくれたりしてくれた男の子がいたの。
それから、その人に恋をした。
だから、次第に仲良くなっていい感じだったのにね。たまに、家にも来てくれて、そのうちに妹、妹いるんだけどね。だからかもね、、
その妹と、付き合うことになったのよ。
だから、私はだめなんだって思った。
こんな恋叶いもしなかったんだって。
妹のほうがそりゃあ、その当時明るくていい子だったから。そりゃあ、そっか。ってなるけど、当時の私には、つらすぎてね。
で、まあ、最終的には結婚までしたんだけど。
まあ、その過去があったから乗り気に離れなくてね。
それでかしら。なんか、泣いてて、職員室で。そしたら、たまたま小宮先生が来て。びっくりしたように大丈夫ですか??って。
小宮先生には関係ないからみたいに強く言って逃げるように行ってしまったんだけれど。
で、次の日、、その、、ソンと撮ったプリの写真机の下に落ちてて小宮先生拾ってくれたのよ。そこで、、まあ、、。気まずくはなったけど。
一旦は小宮先生も夏休み中だったから部活見にいってたんだろうけど。
戻ってきて、私、泣いてたの。
そのまま見られちゃって、、そしたら、
って。声かけてくれて。行ったのはコンビニだったんだけどね。
で、小宮先生心配来てくれて、
ってね。最初は聞いてほしい気でもなかったけどでも、気づいたら話してて。
その、過去の恋のこと。そしたらね。
そう言って抱きしめてくれたの。
きっと、秋元くんたちが言ってたのは、そのことよ。
そう言って、励ましてくれて。
そこで、気がついたの。
私、ソンなこと好きだった、、好きだって。
過去の概念で引きずる必要ないんだって。
で、その夜電話していったわ。
ソンに。
って。
ってね。
で、、もちろん、ソンは。
で、付き合うことになったの。ソンと。
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そっか。抱きしめていたのは慰めだったのか。
なんだ。
一気に体の力が抜けて、、なんか、座り込もうとなった。
なんだ。勘違いか。そうだったんだ。
小宮先生は、優しいなあ。
どんな人にでも暖かく励ましてくれたりしてくれるなんて。
最高だよ。
と、様々な反応を見せている。
そんな時ちょうど、、後ろから声が聞こえた。
ちょうどのタイミングだ。まさかの
??なんか。先生の様子おかしいような。
なんでだろう。
また。あの顔が思い浮かんだ。
何かを探してる、、ような。あのときの。
佐川先生が電話をしているときの様子を見ていたあのときの。
と、みんな佐川先生と、ソンさんにはそう言い。二人は駅へと向かった。
そう言って、小宮先生は、行ってしまいそうになって、、
違う道へと行ってしまった。
やばい、、なんか、絶対あるよ。小宮先生。
どうしよう。
そうだ。
と、後ろからなんか言ってるが気にしない。
今は、先生を追いかけたかった。
なんか、絶対あるよ、、!
走っていくうちに小宮先生にだんだんと近づけていき、
自分でも大きな声だなってくらい先生の名前を呼んだ。
そうして、先生も私の声に気がついたのか振り向いてくれて、、
きっと、、ギリギリのところでこらえてるような、声で、私にそういった。
先生、、今にも泣きそうな顔してる、、。
どうしたの?は、こっちが言いたいよ。
でも、なんとも言えなくて、、。
しばらくの間シンッとなってしまった。
どうしよう。なんて、話せば、、、
でも、、なんで、、そんな顔してるの、、
わからない、、
けど、、
なんとなくわかるような気がした。
今ふと浮かんだ考えが本当だったら、、
なんて、悲しいんだろうって思う。
佐川先生が、ソンさんに電話しているところを見ていたときの小宮先生の表情。それは、まるで、届かない、もう、届きはしない星を追いかけているようなまだ、諦めがついていないような、そんな、感じだった。
そして、ソンさんと、佐川先生の、姿を見て、、
なんだか、変な様子で、。
で、今目の前にいる先生は泣き出しそうな、そんな感じで、、
、、そんな、ばずない、、。
でもでも、、、
どうしよう、、何か、話したかったけど、なんか、無理だ。
今の状態じゃ。
と、逃げ出してしまった。
今は全力で、走りたかった。
走り抜けたかった。
道行く人がチラチラとこちらの方を向いている。
わかってる。わかってる。
だって、今の私、、
泣いてる、、。
そりゃあ泣いてる人見たら余計に見るよね。心配するよね、、。
でも、でも、、
もし、浮かんだ考えが本当だったら、、私はもちろん可哀想だし、
何よりも先生のほうが
一番かわいそうだよー、、。
でも、、きっと。、そうなんだろうな。
こんな、苦くて、胸が締め付けられるような、そんな、、そんな、、
恋だから、恋をしているからわかる。
きっとそうなんだ。
先生は、、小宮先生は、、佐川先生のことが好きなんだ――、、。
小さい声で、、きっと、、声を出し、泣いているんだと思う。
顔もぐちゃぐちゃだ。
涙で。
そんなの、、でも、、そんなの、、かわいそすぎる。先生が、、
こんなにも、恋って報われないんだ。
私もその気持は痛いほどわかる。でも、、こんなに、辛くて、、締め付けられるような気持ち、、先生が抱えているだなんて、、そっちのほうがやだよ、、。
私にとっては、、。
好きな人に、好きな人がいるだなんて、、。
そんな事あっていいの、、?
そう思ってしまう。
先生の、瞳に写ってるのは、佐川先生。
きっと、、絶対。
どんなふうに見えてるんだろう、、。
どんな不思議な色してるの?
――――――もしも、目に見えたら、、。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!