阿部said
俺がキッチンから顔を出す。 翔太はソファでくるまりながら、ふわっと笑った。
渡辺said
テーブルには、あべちゃんが作ったオムライスとスープ。 ケチャップで描かれた『だいすき♡』の文字に、俺は顔を赤くした。
食後、俺らはソファに並んで座り、記念日プレゼントを交換した。 あべちゃんから俺へは、シルバーのペアリング。 俺からあべちゃんへは、手書きのメッセージカード。
あべちゃんはカードを胸に抱きしめながら、そっと俺の手を握った。
そのまま俺らはベッドに並び、指輪をつけた手を重ねて眠りについた。 小さな記念日は、俺らにとって世界でいちばん大きな幸せだった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!