俺はあの後お昼ご飯なんて食べれるわけも無くて、屋上に向かった。
なんとなく、人が居ない場所を選んだ。
ないくんが、死んだ?いなくなった?うるさくなくなった?静かになった?
そんなん信じられるわけがない。
そんな時にチャイムが鳴った。
昼休みは終わって授業が始まった。
今まで授業をさぼることはなかったけど、今日はさぼることにした。
イヤでも溜息が出てしまう。
俺はこの目でないくんを見るまではないくんが居なくなったことなんて信じなかった。
そんな時、屋上の扉が開いた。
ガチャ((((
そこに来たのは、姿形全部が
ないくんにそっくりの人だった。
良く分からなかった。
ないくんのお母さんは
無くなってしまったって言ってたのに
あー、遅めのエイプリルフールとか?
だって、ここにないくんいるし
え、。
ないくん……じゃない…?
ないく-ん……。
ないくん?じゃないなら、
貴方は誰。
俺が話していることを普通にスルーして、そいつは話し始めた。
あ、。授業サボってることバレてる。
単純になんで俺だけサボってることになっているのか疑問になった。
ふんわりと笑った顔がないくんにそっくりだった。
本当にないくんはなくなったのかな。
俺は…。
なんとなく、この人とは仲良くしては駄目だと思った。
俺は逃げないとこの人から
ないくんにそっくりで、
ないくんと同じ笑い方をする
イヤでも脳がおかしくなってしまう。
もし、ないくんが生きているなら
ないくんがいるなら
想いを伝えたい
このそっくりさんを、錯覚して好きになる前に
そいつは俺の手を掴んできた
俺はそいつに言われてからやっと
頬を伝う涙に気づいた
俺はなんで泣いているんだろう
ないくんがいないなんてまだこの目で確かめてないのに
もしかしてこの人に会って
安心したの……?おれは。
早く逃げないと
嫌だ。
嫌。
ないくん。
そう言って俺は学校を抜け出した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!