話し掛けて来た彼女は、現在最有力候補になった1年3組の 宮坂 美沙乃(みやさか みさの)だった。
「ありがとうございます!」
いつもたどたどしい様子でペアを組んでいる彼女だからこそ、早めに声をかけてくることが怪しい。もしかしたら私が管理者だということに気づいているかもしれない。
「うん、頑張ろうね!」
とりあえず普段のように話しかけていってみよう。今日は一緒に走る日、
こんなチャンス逃すわけにはいかないからね!
「始めるぞー」
あっもう始まるんだ。ちょっと本気を出さないとね、
「始めっ」
みんなが一斉に走り始める。彼女は...うん遅めの方だね、よかった、
今日も外周。みんなの目主に先生の目がないからいいね!
「美沙乃ちゃんこれくらいで大丈夫?」
「はい!大丈夫です」
「無理だったら遠慮なく言ってね」
「はい!」
あたり触りのない会話から始める。そのまま1キロ走ったあたりから、彼女の体力が切れて来た見たいだ。
「ちょっとあるこっか」
「すみません、」
ここはノリよくいこう。
「大丈夫、みんな歩いてるし?」
「先輩、悪い子見たいです」
案の定彼女はそう言って笑った。
今がチャンスだ、探れるだけ探る。情報は多い方がいいよね...?
「ねぇねぇ、美沙乃ちゃんって好きな人とかいる?」
「は?」
「あっすみません、」
美沙乃ちゃんはこんな質問が来るなんてて予想もしてなかったようだ。
それより、一気に口調が変わった。こっちが本質かな?やっぱり、今までのは演技かな?
「いいよむしろ敬語はなしにしよっ。で、いたりするの?」
「それは大丈夫です!」
「...えっと先輩はなんで好きな人を聞こうとするんですか?」
あぁこれは演技してるね、慌ててセリフが変になってるや。彼女、目的があるね、何が目的かな?なぜ聞いているか聞く辺り始めの線が濃いだろうかな?
あっさらに依頼主の線が濃くなったね。
「うーんなんとなく?」
「恋バナってガールズトーク感しない?」
「確かにそうですね」
彼女は優しくて気の弱そうな女の子を“演じ続けている“
どうしよう、わざわざ危険を犯す必要もないし、今日はほどほどに、かな?
持久走が終わって思ったより沢山のものを知れた。新しくわかったことをいうと、
1、彼女が依頼主である。
2、彼女は私がなんでも屋の管理者だと疑っていて、探ろうとしている。
3、彼女の技術は私達には及ばないが、総合的に観るといい線をいっている
1は推測になるが、ほぼ事実だと言っていいほどにはいっているとおもう。
今日また奏也に報告しなきゃ
「奏也達は何してんだろ」
そう考える琴音の顔は明るい雰囲気を醸し出していた。
そんな琴音の姿を美沙乃は真っ直ぐに見ていた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。