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第1話

そして、また。/ rdo *編集済み
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2024/04/28 14:30 更新
※ ロスサントスの空の悪魔のお話

※ not腐

※ 夢主なし

※ だいぶ長いです。時間があることが前提で読むことをおすすめします。















招待状を受け取ったものだけが移住できと言われている幻の都市、ロスサントス。その都市がどこにあってどんな都市なのか知っている外の者はいない。噂を聞けば聞こえてくるのは"犯罪大国"や"市民全員が友達"だとやら…でたらめのような言葉の連なりばかり。ただ、これだけははっきり分かっている。

そこは"夢が叶う街"だと。


俺の夢は何だっただろうか。
得体の知らない何かがぐっと心臓を握り潰してくる。上官である俺が休んじゃいけないってことは分かっているのに、頭ではちゃんと分かっているのに。身体がそれを全力で拒否してくる。いつも被っている青鬼のヘルメットをとり、警察署を避け逃げるように駆け込んだ路地裏の壁に伝ってぐったりと座り込む。ヘルメットをとったことでハッキリと見えるようになった目を空へ向けると、空が泣き始め段々とその雫が目に溜まっていく。どれが俺の涙でどれが空の涙だったのかは分からない。ただ、虚無感に包まれながら何故かくるくると回る空を見つめ続けた。身体を打ち付けてくる冷たい雨が痛い。本当に何も上手くいかなかった。ズキズキと痛む頭と、ドクドクと激しく鼓動する胸を抑えつける。悔しい、悲しい、苦しい、辛い。濡れて重くなった身体はもう動きもしない。色んな感覚が消え去っていくのと同時に俺の身体はもうダメなんだ。そう理解してしまって。理解してしまったら全部の力が身体から抜けていった気がした。なんだか眠くなってきた。俺はゆっくりと瞳を閉じる。痛くなくなった雨は、ただ、俺の身体に当たっては溶けていく。

あぁ、このまま雨に溶けちゃえればいいのに。


幻の都市、ロスサントス。この国は誰もが友達の犯罪大国である。空の悪魔とも呼ばれるほどにヘリの運転が上手い、青鬼のヘルメットを被っている警察官、青井らだお。朝起きたら青井は珍しく仮眠室にいた。あれ、昨日は…。そこまで考えたところでドアが開く音がしてはっと顔を上げる。そこに居たのは珍しくペンギンのマスクをとり、目を細めてくる俺の後輩。成瀬力二だった。

nrs「おはよ」

rdo「おはよ〜なんか犯罪起きた〜?」

それだけ聞くと「なんもなかったぞ、おかげでめっちゃ暇だっつーの」なんて返してくる。暇って言うな。平和なんだよ。なんて心の中でひとりごちる。

nrs「あ、俺これからディーラーの仕事してくるから」

rdo「お前マジで偉いな」

nrs「この仕事楽しいからな」

それだけ言うとじゃっなんて言って出ていってしまった。その様子を見届けてからぐっと腕を大きく伸ばす。さ、これから出勤するか、なんて思い立ち上がると突然の目眩に思わずその場にしゃがみ込む。おまけに頭痛付きのようで。数秒その体制のまま固まっていた。目眩が収まるのと同時にゆっくり立ち上がるとさっきまでの頭痛は消えていた。よし。今は大丈夫だし、これくらいならしばらくは持つだろうなんて思いから無線に手を伸ばす。そして、

rdo(青井らだお出勤します〜おはようございます〜)

俺の無線に続いておはよーございますという挨拶が沢山聞こえてきたことに少しの安心を覚えながら警察署の玄関へ向かって歩いていく。外からは元気な後輩たちの騒ぐ声が聞こえてきたので、この調子ならしばらくチルだろうなんて思いながら、この声の元へと向かっていった時。ピピッという音と同時にコンビニ強盗の通知がなる。起きて早々事件だ。下来ちゃってるし、だったらこのまま…

rdo(コンビニ強盗らだおジャグラー出します!)



昼時。俺の体調は明らかに悪化していた。大丈夫だろうなんて思っていた頭痛がさっきからずっと俺を苦しめてくる。でもこの街の犯罪者達は俺ひとりのことなんて待ってくれなくて。ピピッという音と共に客船の通知が鳴り響いた。重い腰を持ち上げてエルベーターを登っていく。

rdo(らだおヘリ出します。乗ってく人いますか?)

mng(オレ、ラだおさんのヘリ乗りタい!!)

rdo(了解、屋上で待ってるね、)

少し走っただけでものすごく息が上がった。体調が悪いことを思い出さないためにも、これは歳のせいだ。なんて自分に言い聞かせる。ふーふーと肩で呼吸していると猫のマスクを被った俺の後輩、猫マンゴーが乗り込んできた。俺は上がる息を必死に抑えながら普通の振りをする。

mng「…?ラだおさん汗ダくだけどどうしたノ?」

その一言にドクンと心臓が跳ねる。飛び出るかと思った…。

rdo「あぁ、さっきめっちゃ走ってここまで来たからかな?」

顔色を悟られないように注意しながら嘘を吐く。

mng「じぁ客船ではラだおさんが疲れないようにオレが全員ぶっ殺しテくるね!」

rdo「んふふ、マンゴーは優しいね〜」

そういいハンドルを片手に頭を撫でてやる。嬉しそうに目を瞑る彼女を見てるとなんだか少し痛みが和らいだ気がした。

現場に着くなり無線に繊細の注意をはかる。正直色んな声が頭に響いてとても痛い。でも、今は集中しないと…。それだけを思い必死に耳を傾けた。

rdo「…マンゴー、今からヘリポートに降ろすね準備大丈夫?」

mng「オレいつでも行けルよ!」

rdo「おっけ〜じゃぁいくよ〜」
「3、2、1、GO!!」

その声と同時にヘリを飛び降り銃を構えながら攻略に行くマンゴーを見送りもう一度上空に舞い上がっていく。あぁ、頭が痛い。身体が熱い。
ここからの俺の役目はサーマルだ。みんなが動きやすいように指示を出しながらヘリアタックを避けたりしたり、犯人の追跡をしたりする、重要な役目だ。だからこそ俺の体調を理由に帰る訳には行かない。さっきのコンビニ強盗のチェイスではすぐダウンしてしまったし、その後のアーティファクトでもヘリアタックに失敗。だからこそ、今回は絶対捕まえてやる、そう決意していた。

rdo(報告するね〜)

ork(らだお来たのか!!)

kuti(待ってたぞー!)

rdo(先頭1、船尾2、最強4)
(神子田〜?その右の手前の部屋に1人いるから気をつけて)
(ネルセンそこ真っ直ぐ行ったとこに犯人ダウンしてます)

ただ指示を出すことだけに集中する。それがいけなかった。次の瞬間俺の体は空中へ弾け飛んでいた。ヘリアタックされていたらしい。今回は絶対捕まえるって決めたのにまた迷惑かけちゃったな。身体中が熱い。そう思った瞬間にはバシャンという音と大きな水しぶきを上げて冷やされていく。今度は冷たい。寒い。暗い。海の中にどんどん沈んでいく。

mng(ラだお殺られた!)

mdr(誰かヘリ出せる人いません?サーマルお願いしたいかも)

俺のせいで…。そんなことで頭が支配されていく。

nrs(成瀬無線戻りました!今何してますか?)

hnrn(カニちゃんパイセン!!らだちゃんパイセン殺られちゃったんで客船のサーマルお願いします!!)

nrs(りょーかい、客船ね、)

暗くて寒い海の中で無線の音だけが鳴り響く。それがさらに俺の心を苦しめた。俺が殺られてしまったせいで迷惑をかけてしまったという事実だけがはっきりと伝わってくるから。俺は負けたんだ。そう頭が理解すると、さっきまで忘れようとしていた頭痛、身体の熱、心臓の鼓動が激しくなっていくのが分かった。身体の表面は冷たいのに芯の方がとても熱い。ダウンしているせいでどんどんと意識が薄れていく。迷惑かけてごめんなさい。痛い、苦しいよ。誰か…。


目が覚めた時には病院にいて治療が終わっている状態だった。あの後は、成瀬の活躍により、無事警察が勝てたらしい。その事に安心すると同時に自分の弱さに凄まじい嫌気を感じた。

trgn「あ、らだお〜お前結構海に沈んでたせいで身体めっちゃ冷えてたからこの後も事件対応行くならちゃんとあっためとけよ。」

rdo「体調管理くらいするよ、でもありがとね〜」

警察署まで送ってもらったとこで鳥ぎんに手を振って別れた。確かに身体は冷えてるかもしれないが身体の芯の燃えるような暑さは消えていなかったので温める必要は無いよなと自己完結する。というか体調の悪化のせいで頭を上手く回せなかった。俺はひっそりと退勤をきる。みんなこんな俺でごめん。そう心で呟いてからふらふらとした足取りで警察署から逃げるように路地裏に逃げ込んだ。

どこかで誰かの目が光っていたのも知らずに_。


幻の都市ロスサントス の とある 警察官の お話しでた。

読者の 皆様に 少しだけ 質問ましす。


貴方は この物語を 正しく 読めしまたか?


今 この文章を 読てめいる 貴方は 正しく 文章を 読てめません。

今僕は わざと 文字の並びを 入れ替えてまいす。

人間の脳って 初めと 終わり さえ合ってれいば 勝手に 脳内で 順番を変えて 読めちゃうんすでよ。

読みやいすように 脳が 働いてましうんでしょうね。

そのせいで 本当の 順番を 見失ってしまってるいのにも 気が付ずかに。

ここは 物語で言う 終わり の 段落です。

さぁ 僕はここで ヒントを 皆様にあげしまた。

ここで もう一度 貴方に 問まいす。


貴方は この物語を 正しく 読ましめたか?



end







もう一度物語を読んできましたか?
本当の順番が分かりましたか?まだ分からないならもう一度読んでからこの先を読むのをおすすめします。ヒントをあげると一段落目は初めの段落ですよ。そして、中と呼ばれる内容は3段落。初めと終わりはあっているはずなので中の順番を考えてみてください。1段落、勝手に入れ替えて読んでしまってはいませんでしたか?


この先は物語をもう一度読んで、理解してくれた貴方へこの物語の真相をお伝えしたいと思います。成瀬くん視点をどうかお楽しみくださいませ。







『 彼の夢。』




nrs side.

夜ご飯を一緒に食べるため、屋上でしばらく待っていたのだが約束をしていたはずのらだおが来ない。さっきまで事務作業をしていたはずだからまだしてるのだろうか。そう思い事務室に来てみたらだおの姿は見えなかった。何かあったのだろうか。そう思い無線を見ると俺が探していた"青井らだお"の文字は見つからなかった。俺は急いで警察署を飛び出す。今日はだいぶ疲れているように見えたからそれを隠そうでもしているんじゃないのか、あの馬鹿先輩は。

ロスサントスの街を駆け回っていると雨が降ってきた。

まずいな、と思い焦りが見えてくる。早く、早く見つけないと。そう思い探し回った末、入ってみた裏路地で、壁にもたれ掛かるように座って眠る彼を見つけた。珍しく仮面を被っていないために見えている紺色の髪から水が伝って落ちた。冷や汗が背中を伝っていく。俺は持っていた傘を投げ捨ててらだおの元へ走った。

nrs「らだお!?」

肩を揺らしてみるが彼の瞳は開かない。口元にを当ててみると弱い呼吸が伝わってくる。だらりと垂れる手を握るととても冷えているのが伝わってきた。俺は急いでらだおを抱え走る。投げた傘はどうでもよかった。とにかく、病院に走った。

nrs「鳥ぎん!!!らだおが!!!」

息切れし、肩を大きく上下させたまま鳥ぎんに呼びかける。

trgn「!?どうした!!!」

nrs「この馬鹿雨の中路地裏で寝てた!!!身体冷たすぎてやばい!!」

trgn「何やってんだよらだお…!!今部屋あっためるかららだお連れてきて!!」
「ももみちゃん2人分のタオル持ってきて!!」

mmm「りょーかいです!!」


その後らだおの呼吸や体温が正常に戻ったのを確認して警察署に連れ帰った。鳥ぎんたち、救急隊には警察には言わないように頼んだ。こいつの性格上、言われるの嫌だと思うし。そのまま仮眠室のベットにらだおを寝させ、毛布をかけてやる。もう少し遅かったららだおはどうなってしまっていたのだろうか。すぅすぅと規則よく寝息をたてる彼を見て心が痛む気がした。

nrs「…ゆっくり休めよ…。」

それだけを言い、俺は仮眠室を出た。




次の日の朝、仮眠室にいるらだおに声をかけに行く。すると彼はちょうど起きたとこのようでぐっと身体を伸ばしていた。会話をしている限り、昨日話が出てこないもんだから正直びびった。どうやら昨日の夜の記憶がないみたいだ。だったら、らだおが限界に達する前の状態ということになる。今日一日の様子を見れば、なんでこうなったのか分かるんじゃないか。そう思った俺は、一日らだおの様子を見守ることにした。




今日はなんともらだおの調子が悪いこと。何しても上手くいかない状態だった。さすがにこの客船が終わったら止めに入るか。そう心の中で思う。昨日の状態ってことは昨日もこの調子で仕事していたのだろうか。あいつやばいな。そう思った直後らだおのヘリが爆散した。あいつは海に落ちてく。正直今すぐにでも助けに行きたい。でも今ヘリ出来るやついねぇじゃん。そう思った俺は急いで無線に戻って、今日警察の仕事をしていなかった言い訳のディーラー仕事から戻ってきたと言い、客船に加勢する。らだお、これ終わったら迎えに行くから待っててな。さっさとこの客船を終わらせて、らだおの様子を見に行こう。




病院に着いた時にはもう遅かった。あいつは数分前に警察署に送ったらしい。無線で名前を探すがまたしても名前はなかった。急いで警察署に途中、らだおが歩いてるのを見つけた。急いで声をかけようとするが昨日の路地裏にふらふらとした足取りで入って言ってしまったため、俺もヘリをおりて昨日の、もう来たくもなかった路地裏へ足を進める。するとあいつは頭を抑えながら横たわっていた。足は折り曲げられ、小さく丸まっている。昨日と同様。青鬼のヘルメットは外されていたため大きく歪み苦しそうな顔がよく見えた。大きな青色の綺麗な瞳は固く瞑られ、透明な水が溢れ出ている。俺はゆっくりと近づいていき、できるだけ優しい声を心がけてらだおの頭に手を添えて撫でながら話しかける。

nrs「…らだお?頭痛いの?」

rdo「…ぅ、ぁ、…な、るせぇ…?」

nrs「うん。なるせだよ。辛い?」

rdo「…つ、らぁぃ、…いたい、よぉ…ぅ、」

nrs「…ちょっと持ち上げるけど我慢してね。病院行くよ」

rdo「ん、…が、んばる、ね…」

それだけ聞いて俺はらだおを優しく、痛くないように持ち上げて、乗ってきたヘリへと運ぶ。やたら精神年齢が低いような気がするが、頭がそれだけ回らないということなのだろう。助手席に彼を座らせてはシャツの第1ボタンを外し、ズボンのベルトも外す。その後靴と靴下もぬがせて、とにかく、彼を締め付けるものは全部外してやった。苦しそうに胸を上下させ、汗を垂らす彼を見て目を細める。昨日のせいで熱でも出したのだろうか。こいつは馬鹿だ。どうしようもないくらいに。頼れよ、俺らをさ。でも馬鹿は同じことを繰り返すって言うもんな。俺も操縦席に乗り込み、隣で苦しそうにする馬鹿先輩に小さく、馬鹿と呟いてからレリを上昇させる。

nrs「俺の夢はお前に愛想尽かすまで一緒にいることだから」

nrs「お前、勝手に俺の夢壊すんじゃねぇぞ自分のこと、もっと大事にしてくれよ

そういい放った成瀬の顔は慈愛に満ちていながらもとても悲しそうだった。


この言葉が本人に届いていたかは、成瀬の夢を叶えることができる彼にしか分からない_。


『 彼の夢。』 end

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